次節で上昇への足がかりつかめるか

ブンデスリーガ第12節では、4つのダービー戦が行われた。今回特に大きな注目を集めたのが、1967年4月以来37年ぶりに実現したニーダーザクセン州ダービー。日本代表DF酒井宏樹の所属するハノーファーと今季昇格チームのブラウンシュバイクが激突した。

ミルコ・スロムカ監督率いるハノーファー、そしてトーステン・リーバークネヒト監督が指揮するブラウンシュバイクともに、このダービーを経験した選手はチームにいない。スタジアム前は試合開始2時間以上前からすでにファンでごった返し、通常の数倍の警察官が警備にあたるという異様な雰囲気を醸し出していた。

ブラウンシュバイクのリーバークネヒト監督は「練習には700人以上の人が詰めかけていたし、地元ではほかの話題は一切出なかった。選手も注目度の高さには嫌でも気づく」と、その盛り上がりには驚いたという。

チケットは完全に売り切れ、会場の雰囲気も最高潮に達した中で期待されたのはもちろんゴールだった。過去20戦のブンデスリーガでの両チームの顔合わせでは、無得点に終わった試合はない。ところがフタを開けてみれば終始ペースを握ったハノーファーは決定的な場面で決め切れず、ブンデスリーガ51年目にして1000試合目の無得点での引き分けとなった。

ハノーファーはこれで6戦勝ち星なし。開幕から下位に沈むブラウンシュバイク相手に勝ち点3を取り切れなかったのは大きな痛手だ。フル出場した酒井は次のように試合を振り返った。

「本当に勝てないですね。引かれた相手に90分通して崩せなかったのが自分たちの力不足。チャンスが何本もあっても決められないので。それはきょうに限ったことではなくて。厳しい試合になりましたね。ダービーですし両チームともすごく気持ちが入っていたので、慌ただしい展開になるのはわかっていましたけど、冷静にやろうということで試合に入って。あれだけボールを支配して点が入らないのはきついですし」。

ハノーファーでスポーツディレクターを務めるディアク・ドゥフナー氏は試合後、「ファンの失望感は理解できるよ。勝利以外は望んでいなかっただろうから」と話し、「6試合勝っていないし、ちょっとした危機だと言える」と現状を分析した。

前節ブレーメン戦からの1週間は「本当に注目されていて、練習にもコアサポーターが何百人も来ていて、そういう意味で特別な試合なんだなって思いました」と、酒井はダービーについて語り「そういう雰囲気を味わえたのは自分としては良かったですけど、しっかりこういう試合を勝ちきれることが次につながると思う」と反省。ホームでの第10節ホッフェンハイム戦も1-4で落としているだけに、ダービーの今節で「サポーターにしっかり勝利をプレゼントしたかった」と悔やんだ。試合後にはファンからブーイングも起こったが、「自分たち選手がサッカーでしっかり返していかないといけない」と真摯に受け止めている。

次節は敵地でハンブルガーSVとの北部ダービーに臨む。今季は監督交代を経て復調を果たしたハンブルクから勝ち点をもぎ取り、再び上昇気流に乗れるか。試練の時を迎えている。