ブンデスリーガ今季みどころ

今夏新しくメンヘングラートバッハのユニフォームに袖を通したのはわずか3選手。選手の放出も最小限に抑え、新シーズンは馴染みの顔ぶれで臨む。今季の目標順位は、4位進出を果たした2011/12シーズン、8位につけた昨季に続き、またしても「1桁台」となるだろう。

今夏はエーベアル・スポーツディレクター(兼エグゼクティブ・ディレクター)にとって、落ち着いたものになったに違いない。一挙に有力選手が3人も引き抜かれて穴埋めに追われた昨夏とは対照的に、今夏の補強は早い時期にめどが立った。

クルーゼ加入で攻撃に幅


今夏メンヘングラートバッハを去ったのは、昨季の主力の中ではFWハンケのみ。ハンケは残留を希望していたようだが、クラブが契約更新を望まなかった。

そのポジションで獲得されたのはFWクルーゼ。クルーゼは昨季、フライブルクで全試合に出場し11得点8アシストという大活躍を見せた。フライブルクの5位進出はまさにクルーゼの開花によるところが大きい。

クルーゼはその功績が認められ、昨季終了後に行われたドイツ代表の米国遠征に招集されると、エクアドル戦で代表デビュー、米国戦では記念すべき初ゴールを決めた。グラートバッハのファーブレ監督は「クルーゼは前線で様々な使い方ができ、おかげで攻撃のバリエーションが増す。目標が高く、負けず嫌いなところも気に入った」と加入を大歓迎する。

ファーブレ監督をよく知る即戦力 MFラファエル


クルーゼと並び新シーズンの主力として期待されるのが、昨季後半戦シャルケでプレーしたMFラファエルと、ボーフムでの2年間を経てレーバークーゼンから期限付きで加入するMFクラーマーだ。

これまでブンデスリーガで126試合に出場し、25得点という実績を持つラファエルは、新加入とはいってもファーブレ監督の下でプレーするのは初めてではない。それどころか、チューリッヒ(スイス)、ヘルタに次いで3クラブ目、つまりファーブレ監督がラファエルを呼び寄せるのがこれで3度目だ。長く師弟関係にあり互いによく知る間柄で、ファーブレ監督は「(ラファエルの加入で)うちの攻撃がクリエイティブかつフレキシブルになるだろう。的確でシンプルなプレーが特徴だが、シンプルにプレーするのは実は難しいこと」と誇らしげに教え子を分析する。

189センチの長身ボランチ、クラーマーも今夏の準備期間ですでに高評価を得ており、マークス、ノートファイト、チャカら、すでに3人いる守備的MFを脅かす存在になっている。

下剋上は再びみられるか


総じてメンヘングラートバッハの補強は成功したと言える。今季の開幕戦は、運悪くプレシーズン大会のテレコムカップで惨敗したばかりの王者バイエルン・ミュンヘンに敵地で臨むが、実は過去2シーズンは敵地ミュンヘンで負けなしだ。それどころか2011/12シーズンの開幕戦では、見事にバイエルンに土をつけた。当時、その数週間前に入れ替え戦でようやく1部残留を決めたメンヘングラートバッハにとっては、衝撃的な勝利だった。

勢いに乗った2011/12シーズンは4位進出を果たす。2012/13シーズンは主力のDFダンテ(現バイエルン)、FWロイス(現ドルトムント)、MFノイシュテッター(現シャルケ)を失ったことで、流れに乗りきれず8位に終わったが、今季はDFドミンゲス、FWデヨング、MFチャカら昨夏加入の選手らに期待がかかる。

今夏の課題は、昨季49失点と安定しなかった守備の立て直しと、信頼できるゴールゲッターの発掘だろう。昨季はMFヘアマンでこそ継続的に結果を出したが、デヨング、ムラパ、ルゴタ、ハンケ(現フライブルク)、デカマルゴ(現ホッフェンハイム)の中から先発に定着する選手が出てこなかった。クルーゼの獲得は、まさにこの反省を踏まえての決断だった。

ここ数年のメンヘングラートバッハは、伝統あるクラブとしてのあるべき姿を取り戻しつつある。新シーズンの目標順位は、達成されれば3年連続となる「一けた台」。以前に3年以上連続で一けた台につけたのは1984~89年のことだ。メンヘングラートバッハは過去の名声を取り戻すことが出来るか、今シーズンは行く先を占う重要な1年となりそうだ。

トビアス・ゴンシェロフスキ (Tobias Gonscherowski)

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