ブンデスリーガ今季みどころ

日本代表DFの所属するシャルケは今夏、移籍市場で積極的に動いた。昨季、終盤の追い上げで欧州チャンピオンズリーグ予選出場権を獲得したことにより、補強予算が上積みされたからだ。スポーツ・広報担当取締役のヘルト氏自身が述べたように「クオリティーとメンタリティーを2本の柱にした強化」を実現した。

その結果、ブンデスリーガでも経験豊富な即戦力と将来を見据えた才能あふれる若手の獲得が実現した。いずれもチーム内競争の活性化に寄与し、ケラー監督の選択肢はぐっと広がった。

新加入が猛アピール


まず着手したのがFW。昨季はフンテラーだけが頼りとも言える状況で、不調やけがは即、チームに攻撃力低下につながった。かつフンテラー自身もわずか10得点と期待に応えられなかった。

この反省を踏まえ、昨季マインツで13ゴールを決めたソロイが獲得された。ソロイは加入から間もなく、強化試合で得点能力の高さを見せつけた。シャルケの戦術上の選択肢は増し、ソロイとフンテラーがツートップを組む4-4-2も可能となった。

ドルトムントから加入したDFサンタナは交代要員に甘んじるつもりはないようで、練習でもすぐさま猛アピール。スピード、ヘディング、メンタルの強さで抜きんでるブラジル人DFは、昨季まで主力だったマティプを退けることになるかもしれない。正GKの座はヒルデブラントが勝ち取ることになりそうだ。

競争が激しい中盤


最も競争が激しいのは中盤だ。クレメンスとゴレツカという、いきなり2人もの将来性豊かな若手が獲得された。18歳のゴレツカは学業との両立を図りながら、ブンデスリーガと欧州チャンピオンズリーグの双方で結果を出さなければならない。

ゴレツカの加入でボランチの競争は激化。昨季の主力ジョーンズとノイシュテッターに加えヘーガーもおり、ライバルは多い。

ジョーンズ「目標は優勝争い」


この18歳のゴレツカ、17歳のマイヤー、21歳のクレメンス、19歳のドラクスラーと将来のドイツ代表を背負って立つであろう若手を多く抱えている。クレメンスはU21ドイツ代表で注目を集めた。昨季5試合に出場したマイヤーには、昨夏までFWラウルのつけていた背番号7が与えられた。ヘルト氏はこれを「将来を見込んで」と説明する。

若手の才能をどう開花させるか。最高の例がドラクスラーだろう。テクニック、視野の広さ、スピード、シュート精度とどれをとっても一流のドラクスラーは、昨季10ゴールを挙げ司令塔としての地位を確立した。7歳に入団し継続して成長を遂げ、シャルケ・サッカーの象徴となっている。

チームは今季も高い目標を掲げる。CL出場権の獲得を最低限と考える選手もいるほどだ。ジョーンズは「2位から4位を目指しているばかりではいけない。目標はブンデスリーガ優勝を争うことだ」と意気込む。

ヘルト氏 ドルトムントと「力の差はない」


クラブ幹部は優勝という言葉を口にしない。ただ、昨季CL準優勝を果たしたライバル、ドルトムントとは同レベルにあると考えている。ヘルト氏も「(ドルトムントと)それほど力の差はない」と言う。

これらの目標をシャルケが実現できるかどうかは、ケラー監督の手腕にかかっている。ベテランと若手をうまく組み合わせ、調子の波が少ないチーム作りを進める必要がある。昨季は波が多すぎた。

チームが安定すれば、ケラー監督の続投に対して上がった不安の声も自然となくなるだろう。わが道をゆくケラー監督に、大いに期待したい。またヘアマン・コーチが今夏シャルケに加入したことは大きい。スポットライトを当てられることは少ないが、バイエルンでハインケス監督の右腕として昨季の3冠に貢献したドイツ有数の指導者で、数々のクラブで実績を挙げてきた。同氏を獲得した狙いは、ケラー監督のサポートと、チームに「勝者のメンタリティ」を植え付けてもらうこと。これに成功すれば、ヘアマン氏の獲得が今夏の最大の補強だったと言える日が来るかもしれない。

ディートマー・ノルテ (Dietmar Nolte)

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