ブンデスリーガ今季みどころ

日本代表MFとMFが所属するニュルンベルクは今夏、攻撃陣を重点的に補強。新シーズンでの攻撃サッカーの確立に意気込みを見せている。

ただ、今夏のトレーニング始動当初は、決して期待を持たせる要素ばかりではなかったことにも触れておかなければならない。6月末、ニュルンベルクのファンが利用する掲示板サイトは、クラブの先行きを危ぶむ声で満たされていた。主力であるMFシモンスとDFクローゼの移籍が短期間で立て続けに決まったことが理由だった。

しかし、ニュルンベルクは期待を活躍させる選手の獲得で、この不安を吹き飛ばした。補強は全ポジションで行われ、もちろんクローゼの抜けたセンターバックの穴もオーストリア代表DFポガテツの獲得でしっかり埋めた。昨季47失点にとどめた「堅守ニュルンベルク」を今季も継続させるためだ。

期待の新FW ステピンスキとギンツェック



今夏の補強は、「(昨季)5ゴールより多く決めた選手がチームに1人もいない」と嘆くバーダー取締役の意向が反映され、攻撃陣を中心に進められた。ワントップとして得点の期待されたFWペクハートが昨季わずか4ゴールに終わっていたのだから、当然の成り行きだろう。

ウィージンガー監督は、攻撃で選択肢を増やしたいと言う。ペクハートとタイプが似ていた昨季の2番手FWポルターは、攻撃のバリエーションを増やすという点では貢献度が低かった。この観点から、将来有望な18歳のポーランド代表FWステピンスキと即戦力のFWギンツェックが獲得された。

ギンツェクは昨季、期限付きで在籍していたザンクト・パウリで31試合に出場し18ゴールを決めた、折り紙つきの点取り屋だ。ニュルンベルク以外の1部所属クラブも興味を示していた。また、FCチューリヒ(スイス)から加入したFWドリミッチは、スイス代表のヒッツフェルト監督が「チューリヒでレギュラー争いを勝ち抜いた彼なら、ニュルンベルクでもチームに貢献することができる」と太鼓判を押すほどの逸材だ。

底なしの持久力を持つゲアトナー



もう1人ニュルンベルクの戦力向上に寄与しそうなのは、今夏ユースからトップチームへ昇格したゲアトナーだ。知名度は高くないが、基礎体力強化に重点が置かれた第1次夏季合宿で抜群のスタミナで周囲を圧倒した。ゲアトナーの底なしの体力は、FWエスワインが「人間じゃない」と冗談をもらしたほどだ。

ゲアトナーにとって、昨季前半戦まで下部組織の指揮を執っていたウィージンガー監督はよく知る存在だ。「ウィージンガー監督の下ではすでに1年半プレーした経験がある。監督が、中盤でのボール奪取や、そこからの素早い縦へのパスを重視していることは知っている」。実際、ヘッキング前監督のスタイルをほとんど変えぬまま昨季後半戦を指揮したウィージンガー監督は、今季はバリエーションを加えようとしている。

新シーズンは4-2-3-1も可能



今季は攻撃陣の大幅補強により、昨季の4-4-2に限らず、4-2-3-1の選択も可能になる。また、技術に定評のあるMFゲープハートは昨季けがのため18試合出場にとどまったが、今季は復帰するため、選手層も問題ないだろう。

ゲープハートに並び、ニュルンベルクの中盤で傑出したテクニックを持つのは清武だ。昨季、ブンデスリーガでも通用することを証明した日本代表を他クラブが放っておくわけもなく、イングランド・プレミアリーグのアストンビラが高額の移籍金で獲得希望したが、ニュルンベルクはこれを拒んだ。

ニュルンベルクは近年、経営再建が実を結び、このような移籍オファーを断ることができる状況になってきた。守護神シェーファーら古株と新顔の入り混じる新生ニュルンベルクは今季、どのような戦いをみせるのだろうか。まずは早い時期に残留を確実にすることが目標となるだろう。

クリストフ・ルーフ(Christoph Ruf)

ブンデスリーガ今季みどころ一覧へ