ブンデスリーガ今季みどころ

ことし4月29日、ヨルク・シュマートケ氏の後任としてハノーファーのスポーツディレクターに就任したのが、ディアク・ドゥーフナー氏。新しいクラブに慣れるひまもなく、多大な業務に追われている。

今季の欧州リーグ出場権を得ていれば3シーズン連続だったが、ついに逃した。チーム変革前の2010年に2部降格を免れて以来、初めてのことである。昨季チームの顔だったモハメド・アブデラウエ、セルジオ・ダシルバピント、マリオ・エギマン、ソフィアン・チャヘトは退団した。

DF陣のテコ入れ


ドゥーフナー氏の最重要課題がDF陣を早急に補強することだ。ドイツ代表GKツィーラーがゴールを守る守備陣だが、昨季は62失点をも喫した。降格したデュッセルドルフ、フュルトのいずれよりも多い数字だ。

昨夏ウォルフスブルクへ移籍したDFポガテツに続き、今夏はDFエギマンが2部のウニオン・ベルリンへ。昨季後半戦にアーセナルから期限付きで加入し一躍人気者となったDFジュルーは、ハノーファーへの完全移籍を断りハンブルクに移った。

希望の星アンドレアセンが再び負傷


代わりに期待がかかったのは元デンマーク代表のアンドレアセンだが、2011/12シーズンをけがのため完全に棒に振り、昨シーズン第34節に約9カ月の離脱を経てカムバックしたものの、膝を痛め今夏プレシーズンの大部分を再離脱することになった。現在のところ、アギとフェリペの2人のみが経験豊富なセンターバックとしてプレー可能な状態にある。

もう一つの弱点は、攻撃から守備への切り替えだ。ハノーファーは昨季、カウンターでリーグ最多の15失点を記録。スロムカ監督の課題だ。改善を狙い、フュルトからエドガー・プリプ、フランスのASナンシーからサリフ・サネをそれぞれ獲得した。

「10秒ルール」は以前と変わらず


対照的に、前への動きの速さはハノーファーの大きな長所だ。2010/11シーズン、スロムカ監督は他チームを「10秒ルール」で驚かせた。ボールを奪ってから10秒以内にシュートまで持っていくのである。これは今でもチームの大きな武器だ。昨季はボール奪取後の短い時間で、リーグ最多の11得点を決めた。

セットプレーのクオリティの高さも強みだ。ニュルンベルクの19ゴールに続く、リーグ第2位となる18ゴールをFKまたはCKから挙げた。サボルチュ・フスティがけがから復帰し好調をキープすれば、今季も同様の数字が期待できる。フスティは第23節、PKを蹴った際に負傷し離脱するまで、昨季9本のゴールをセットプレーから生み出した。

敵地で通用しなかった得意の攻撃サッカー


他の多くのチームとは異なり、スロムカ監督は依然として2トップを置く攻撃的サッカーという勇気ある戦術を採用している。ハノーファーのFWは昨季30得点14アシストを記録した。これほど多くのスコアラーポイント(ゴール数+アシスト数)は、ブンデスリーガのどのチームのFW陣も成し遂げていない。マム・ジュフは12得点8アシストでチーム最多。アブデラウエ(8ゴール)退団の穴はしっかりと埋められることだろう。ディディエ・ヤコナンとアルトゥア・ソビアクという、レベルの高いMF2選手もいる。さらにデニス・カダー、ヤン・シュラウドラフ、そしてサイドにはドルトムントから獲得したレオナルド・ビッテンクールトも控える。

しかしハノーファー攻撃陣は昨季、敵地では脅威となることができなかった。アウェーの試合ではわずか13ゴール。これよりアウェーゴールが少なかったのは、ホッフェンハイムとデュッセルドルフだけである。

再建の年の謙虚な目標


チーム再建の観点から、スロムカ監督とドゥーフナー氏は今季、一けた台順位を目標としている。それに対してサポーターはEL出場を、クラブのキント会長はそれどころかCL出場をも夢見ている。

けが人続出の不運から抜け出しアウェーでの弱さを克服すれば、EL出場権の獲得できる6位以上は夢に終わることはないだろう。ドゥーフナー氏はそのため移籍期限の終了する8月31日までに、前任のシュマートケ氏のような戦力補強での腕を確かさを証明しなくてはならないだろう。

ユルゲン・ブレース(Jürgen Blöhs)

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