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今夏新加入選手のアレクサンダー・バウムヨハン(左)、ヨハネス・ファンデンベアク(左から3人目)、ゼバスティアン・ラングカンプ(右端)
今夏新加入選手のアレクサンダー・バウムヨハン(左)、ヨハネス・ファンデンベアク(左から3人目)、ゼバスティアン・ラングカンプ(右端)

いざ1部へ

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ブンデスリーガ今季みどころ

絶対的な2部制覇

ヘルタ・ベルリンの昇格で、首都ベルリンのクラブがまたブンデスリーガに参戦する。ベルリン市民の願いは「エレベーターから降りる」こと、つまり1部と2部を行き来する「エレベーターチーム」からの脱却であり、今季まずは残留が目標となる。8月10日(土)15時30分、ヘルタのファンはベルリンのオリンピアシュターディオンで、待ちに待ったブンデスリーガのサッカーを観戦できる。愛称「老婦人」のヘルタが待ち受けるのは、その成長がヘルタといくつかの類似点を持つと言われるアイントラハト・フランクフルトだ。

ここ16年間で4度ずつの昇格および降格を繰り返し、フランクフルトには「エレベーターチーム」の称号が授けられていた。2011年夏にこれまで最後の2部降格を経験。だが2011/12シーズン、フランクフルトはサッカー的にも経済的にも1部レベルのままで2部での1シーズンを過ごし、堂々たる再昇格を果たした。


同様に昨季のヘルタも、3年で2度目の降格を経験した2012年夏は、少ない資金にもかかわらずメンバーの大部分がともに残り、ペーター・ペカリク、サミ・アラギ、ペア・クルーゲ、サンドロ・ワーグナーらブンデスリーガでの経験豊富な名の知れた選手を獲得した。

決して順調とは言えないスタートを切ったあと、シーズン終盤には順当なブンデスリーガ2部優勝を果たした。ホーム、アウェー戦ともにリーグ1位の成績で、最多勝利となる22勝を挙げ、同時に敗戦はリーグ最少の2戦のみ。さらにリーグ最多65ゴール、失点は同最少の28点を記録した。

フランクフルトのように進めるか


そこである疑問が生じる。ヘルタはアイントラハト・フランクフルトのように、昇格チームとして今季すぐに欧州リーグ(EL)出場権獲得圏内に入れるだろうか。 前半戦輝かしい戦いぶりをみせたフランクフルトは4位で折り返すという快挙を果たした。結局シーズンを6位で終え、EL予選への出場権を得たのである。

ヘルタの複数の選手がELという言葉を口にし始め、ヨス・ルフカイ監督は楽観的思考にストップをかけた。「高い目標」を持つことは「かまわない」が、「ELについて語る者は現実を見誤っている」。オランダ人指揮官は、かつてヘルタが実行した支出計画の失敗によって未だに悩まされている限りある経済面を指摘している。

4人の新加入で高まる競争


しかしマネジャーのミヒャエル・プレーツ氏は、実力を備えたチームの編成に成功。昨季早い時期に昇格が決まったため、開幕前の始動よりかなり早く、新加入選手との契約を終えることができた。昨季の主力組が残留を決めた一方で、4人のブンデスリーガ経験者を獲得。左サイドバックにはデュッセルドルフから加入したファンデンベアク、センターバックにはアウクスブルクからのラングカンプ、そしてレーバークーゼンから加入の細貝萌はボランチとしてレギュラー獲得が濃厚だ。

さらに強力な新加入がバウムヨハン。クリエイティブな選手で、攻撃的MFとして昨季の看板だったロニーと定位置を争う。しかし両選手は今夏強化試合などで試している4-1-4-1システムでのように、ともにプレーすることも可能だ。

今回の新加入選手のうち、ヘルタが移籍金を支払ってまで獲得したのは細貝だけだ。日本で高まりつつあるヘルタへの関心のおかげで元は取れるかもしれない。とにかく、細貝を間近で見たがっていたベルリン在住の日本人ファンはようやくその姿を目にすることができたのである。

各ポジションに複数の選手


しかし細貝の獲得は、ヘルタにとって戦力強化の面でも間違いなくメリットだ。細貝のほかに、守備的MFには、ペーター・ニーマイヤーとペア・クルーゲ(昨季のダブルボランチ)、ファビアン・ルステンベルガーが控える。さらにロニーや若手のハニ・ムクタルもボランチでプレーできる。

前線からDFラインまで、どの位置にも複数の選手が備わっている。定位置争いが最も激しいのはアドリアン・ラモス、ピエールミシェル・ラソッガ、サンドロ・ワーグナー、そしてサミ・アラギによるセンターFWの位置だ。アラギとラモスはウイングでもプレーできるが、このポジションにはベン・サハル、マーセル・ヌジェング、エニス・ベンハティラもいるため、今夏は4-3-3も試している。人員的なバリエーション以外にもヘルタは、2012/13シーズンの4-2-3-1と並ぶ新たなフォーメーションも武器に加わった。

「エレベーターから降りたい」とプレーツ氏


しかしルフカイ監督だけでなくプレーツ氏もまた、大きな期待を全面に押し出すことの危険性を知っている。スポーツディレクターとしてはすでに、昨季の終わりに進むべき道を公言している。「今度はエレベーターから降りたい」。まずは昇格チームとして残留を果たすことがすべてだ。

その目的が果たされれば、中期的な将来はそう悪くはなさそうだ。レギュラーのほぼ全員が来季以降も有効な契約を結んでいる。昨季飛躍をみせたルステンベルガー、ロニー、ジョンアンソニー・ブルックスは2017年まで、そしてルフカイ監督自身も2016年まで契約を延長している。

疑問符つくロニー


開幕へ向け、唯一疑問符がつくのはロニーだ。1カ月前、休暇から戻ってきたロニーはコンディションが悪く、1部の速いテンポについていけるのかという懐疑的な見方が出た。

ルフカイ監督が状況を軽く見せかけるよう努力しても、疑問は残ったまま。トップクラブであるシャルケ、バイエルン、メンヘングラートバッハで64試合に出場経験のあるバウムヨハンという別の選択肢がすでにあることを考えればなおさらだ。ロニーかバウムヨハンのうち少なくとも1人が期待に応えれば、ヘルタは今季の目標を達成できるだろう。

アンドレ・アンチュエロ(Andre Anchuelo)

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