ブンデスリーガ今季みどころ

残留の歓喜に沸いたのも束の間、またもやアウクスブルクにとって辛く長い1年が始まろうとしている。クラブ幹部が口を揃えて言う通り、今季の目標もやはり「残留」になるだろう。ただ、最後の最後まで残留争いを戦い抜いた過去2シーズンとは異なり、今季は一足早めの残留確定が実現するかもしれない。というもの、ドイツでは伝統的に「昇格から2年目のシーズンが最も難しい」と言われているからだ。昨季のデュッセルドルフ、フュルトのように多くのチームが昇格から1年でブンデスリーガを去っていく中で、2年目を生き延びるのはさらに難しいことなのだ。この難関を突破したアウクスブルクには、明るい未来が待っているかもしれない。

韓国代表コンビの不在



ただ、残留は勝手に転がり込んでくるものではない。むしろ今季のアウクスブルクの戦力を見ると、FW池東ウォン(チ・ドンウォン)とMF具滋哲(ク・ジャチョル)の韓国代表コンビが抜けた穴があまりに大きいことに気づかされる。期限付きで在籍していた両選手は昨季の残留の原動力だったが、それぞれ期限を終えて本来の所属クラブへと戻っていった。

もちろんアウクスブルクはどちらか1人だけでも、手元に置いて置きたかったに違いない。しかし、具の本籍ウォルフスブルクは放出を断り、池のサンダーランド(イングランド・プレミアリーグ)とは移籍金の交渉で折り合いがつかなかった。それはバイエルン、ドルトムント、シャルケのようなビッグクラブなら取るに足らない金額かもしれないが、アウクスブルクにとっては手の届かない額だった。

方針は借金ゼロ


移籍金を借り入れによって賄うことも他のクラブでは普通に行われるが、実業家出身のザインシュ社長の「堅実経営」の理念や、アウクスブルクのあるシュバーベン地方の伝統的な倹約意識には許されるものではない。アウクスブルクは、ユース育成組織の施設建設でさえ自己資本金のみでやり遂げてしまうクラブなのだ。「借金ゼロという理念に沿って工事着工にこぎつけられたことを心からうれしく思う」(7月12日、着工式にて)という社長の言葉には、その強い信念が表れている。

元トルコ代表FWアルティントップを移籍金ゼロで獲得



ブンデスリーガ残留が危ぶまれようとも、その経営理念が崩れることはない。補強に関しても「資金力を超えた補強は行わない。赤字になったら、迷わず選手を放出する」という明確な基準が設けられている。補強を担当するロイター・スポーツ担当取締役は、この厳しい条件に悪戦苦闘したことだろう。それでも今夏、アウクスブルクは数名の有名選手獲得に成功した。トルコ1部リーグのトラブゾンスポルから移籍する元トルコ代表FWのハリル・アルティントップは、その1人。30歳のアルティントップは、ブンデスリーガの複数のクラブで延べ236試合に出場した経験があり、即戦力として期待できる。

そのアルティントップと、ウォルフスブルクから加入するGKヒッツはいずれも移籍金ゼロで獲得。新シーズンではさらにMFフェッチュ(元キッカーズ・オッフェンバッハ)と、期限付きで獲得したホルツハウザー(20歳、シュトゥットガルト)、フラホディモス(21歳、オリンピアコス)が加入する。

「アルティントップは経験豊富な選手。フラホディモスは欧州の舞台での経験もあり、ホルツハウザーはブンデスリーガで20試合以上に出場している」と満足げに話すロイター氏は、これで1部残留のための条件が整ったとみている。

GK部門は万全



まだまだ移籍市場の観察を続けるロイター氏。クラブの身の丈にあう費用でなければ獲得できないが、獲得の原則は他にもある。「アウクスブルクの強化につながると確信できる」選手でなければ絶対に獲得しないという点だ。

ゴールキーパー部門はすでに万全の状態だ。正GKマニンガーが左膝じん帯の負傷で長期離脱するという不運はあるが、アムシフ、ヒッツの2人がしっかりと代役を務めるだろう。

ラインハート・クルーゼ(Reinhart Kruse)

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