ブンデスリーガ2部今季みどころ

中心メンバーを信頼し徐々にチームを強化――。ザンクト・パウリが長年、移籍に関して貫いてきた哲学だ。ブンデスリーガに属した2010/11シーズンのチームのうち9人が、2006/07シーズンに(当時の)レギオナルリーガ北部からブンデスリーガ2部へ昇格を果たした時のメンバーだった。

得失点差で劣るため入れ替え戦への出場権が得られる3位に届かず、悲願のブンデスリーガ復帰を逃したのが、2012年夏。そこで昨季は久々の大変革が行われた。11選手と新たに契約し、評価の高いクリストファー・アーベボアや点取り屋のFWダニエル・ギンツェックを期限付きで獲得した。だがそうして攻撃陣を一新したにも関わらず、すでに1部昇格が決まっていたブラウンシュバイクを5-1で破った第33節まで、チームは残留争いの渦中にあった。

残留争いは驚きではない


前スポーツディレクターのヘルムート・シュルテ氏は2012年5月15日に解雇された。ミヒャエル・フロンツェク監督はbundesliga.deのインタビューで「ちょうどメンバー編成の時期だった」と、なぜ最低目標であった7位すら成し遂げられなかったか、理由の一つとして挙げている。

「(現スポーツディレクターの)ラシド(・アズージ氏)は短期間でチームを編成しなくてはならなかった。最後の数選手は8月末になってようやく来た。そうなると、もちろんチームに馴染むまでには時間がかかる。さらにパウリのようなチームではそうそう補えない、20、25得点に関わったマックス・クルーゼを(昨夏フライブルクへの移籍で)失った」。

第9節終了後に解雇されたアンドレ・シューベアト前監督の後任であるフロンツェク氏は、シーズンの成績が芳しくなかったことに驚いていないという。

続いて起きた大改革


1年後のいま、クラブは再改革を前にしている。昨夏に期限付きで獲得された選手は本来の所属クラブへ戻る。トップスコアラーのFWギンツェクはニュルンベルクへ移籍。2009/10シーズンに1部昇格に貢献しファンから「サッカーの神様」と称されたマリウス・エバースの契約は延長されなかった。

だがフロンツェク監督は、いまの状況が昨季と同じとは考えていない。「早くチーム作りができたため、今はシーズンへの準備に集中できる」。

新たにゴールゲッターを失う


ギンツェックとエバースの代わりとしては、ジョン・フェルークがスタッド・レンヌ(フランス)から、クリストファー・ネーテはフュルトから、そしてミヒャエル・グレゴリッチがホッフェンハイムから加入する。グレゴリッチは期限付きで獲得した唯一の選手で、クラブは買い取りオプションも確保した。それ以外では、「期限付き獲得選手」の章は幕を閉じたのである。

メンバーは1列目もサイドも補強された。「昨季は運がなかった。長期間、14人しかプロ選手がいなかったんだ。そうなると出場選手は自然に固まってしまう」とフロンツェク監督は、選手層の薄かったシーズンを振り返る。

全ポジションに2選手ずつ


49歳の指揮官は、両サイドのDFを例に挙げる。左サイドにはドルトムントからマーセル・ハルステンベアクを獲得した。右サイドにはクリストファー・ネーテがこれまでのレギュラー選手にプレッシャーをかける。「新たに獲得した選手のおかげで全体的に選択肢が広がったし、健全なチーム内競争のプレッシャーをサイドのポジションにかけることができる」とフロンツェク監督は満足気だ。

そして攻撃的中盤でもすべてのポジションに2部では平均以上のレベルの選手を2人ずつ置くことができる。ボーフムから移籍したマーク・シャトコフスキ、そして1860ミュンヘンからは19歳のゼバスティアン・マイヤーが加入した。

サポーターは我慢強く見守ってほしい


「ベテランと非常に才能ある若手選手のいい混合チーム」と監督は表現する。しかし今季は高すぎる目標設定はしない。クラブはもちろん、継続的にドイツでトップの25チームに入るという野心を抱いてはいるが、今季サポーターはさほど満足はしないだろう。

フロンツェク監督は「変革後の1年間はチームを構築していく時期。昨季よりも好結果にしたい」と、サポーターには我慢強く見守ってほしいと願っている。つまり9位で今季を終えれば昨季の10位よりも上位となり、目標達成ということになる。

ユルゲン・ブレース(Jürgen Blöhs)