独自のソフトウェア開発

ドイツ・サッカーリーグ(DFL)は6月21日、2013/14シーズンのブンデスリーガとブンデスリーガ2部の全34節、延べ612試合の組合せを発表する。決定方法は非常に複雑で難しい。DFL本社競技日程部のゲッツ・ベンダー部長に聞いた。

部長が2002年、対戦組合せの決定と試合日程調整の担当となった当時は、各リーグのそれぞれのクラブに1から18までの番号を割り振り、組合せを決めていたという。各クラブの個別の事情を考慮したり要請に応えるのは困難だった。「すぐにこのやり方ではだめだと判断し」(ベンダー部長)、ブンデスリーガの日程決定ために独自のソフトウェアが開発されたという。

自治体や警察も考慮


自治体、警察、FIFA(国際サッカー連盟)やUEFA(欧州サッカー連盟)、各クラブ、スタジアム運営会社など、1試合の日程にも様々な組織が関わり、それぞれの要望に応じなくてはならない。「基本的に関係する全ての組織の要望に応じるよう務めてはいるが、不可能というときもある。すると優先順位をつけるしかない」とベンダー部長は説明する。

警備などの運営上、隣り同士のクラブが同時にホームゲームを開催するのは避ける必要がある。またドイツには宗教上、スポーツを行ってはいけない祝日があるほか、コンサートなどスタジアムで予定されているサッカー以外のイベントや、代表戦はもちろんUEFAチャンピオンズリーグ(CL)、欧州リーグ(EL)などの日程も考慮しなくてはならない。

悩みの種は欧州リーグ


UEFAにより日程が木曜に固定されているELは、特に厄介な問題だ。EL出場チームが中2日の休みを取るならば、ブンデスリーガの試合は自動的に日曜となる。ブンデスリーガの規定上、日曜には2試合しか組めないが、2013/14シーズンのEL本選には4チームが出場する可能性がある。現時点で本選出場が確定しているのはフライブルクだが、シャルケフランクフルトシュトゥットガルトの3チームにも可能性はある。「この4チームがELに出場することを仮定して日程を決めている。トラブルを避けるため、可能な限り、ELの行われる週の日曜にこの4チームをブンデスリーガで対戦させるようにする」とベンダー部長は対策を明かした。

「自動車にはかなりのことができるようになったが、それでも運転手は必要」(ベンダー部長)なように、独自に開発されたソフトウェアのおかげでコンピュータにかなり任せられるが、それでも自動的にプランが完成するわけではない。より良い結果を求めて、設定されているさまざまな条件の変更など微調整が絶えず行われる。プランが最終的に決まるまでには、コンピュータで案を出し、チェックし、案を放棄する、という作業を数百回行うという。毎年DFLでは翌シーズンの組合せプラン作成を年明けから始め、昇格・降格組が決定するとラストスパートに入る。

曜日や開始時刻はこれから


6月21日に組合せが発表されると、ベンダー部長や担当者チームが一息つけるのか、というとそうではない。この日に発表されるのは組合せだけで、それから各試合の曜日と開始時刻を決めないといけない。ここでも関係する各方面の要望に可能な限り応じるよう務めている。唯一のルールは、土曜18時30分開始の試合。どのクラブも1シーズンに、ホーム・アウェーそれぞれ3試合までしかこの時刻の試合は行えないよう決まっている。

「金曜、土曜、日曜、2部は月曜も、全クラブにできるだけ公平に配分するよう努力している。皆さんの要望は重々承知しているが、最終決定権はDFLにある」とベンダー部長。アウェーの試合を現地で応援するサポーターの移動時間についても、「日曜の試合のあと、戻る距離が長くならないようにと考えてはいるが、さまざまな要素が絡むために毎週それが可能なわけではない」と理解を求める。

曜日と開始時刻も入った1シーズンの全日程を、シーズン開幕前に発表できればそれに越したことはないが、そうはいかない。最大の理由はCLとELの日程。どのチームがどの日に試合があるかが分かってからでないと、ブンデスリーガの日程を早めに決めていても意味がなくなるからだ。ベンダー部長は「遅くとも4週間前には具体的な日程を決められるよう務めているし、それは大抵可能」と話す。CLやELが年明けに決勝トーナメントの段階に入ると、早めに決めるのもなかなか難しい。

2013/14シーズンの組合せはどうなるか、部長はインタビューではもちろん明かさない。「ただひとつだけ保証できるのは、また来季もワクワクするような612試合で素晴らしいシーズンになること」と部長。人間とコンピュータの共同作業がそれを可能にするのだ。

Florian Reinecke (フローリアン・ライネケ)