CL準決勝第2戦を前にヒッツフェルト監督が語る

【ミュンヘン発・bundesliga.de編集部】 欧州チャンピオンズリーグ(CL)準決勝第1戦ではバイエルン・ミュンヘンがバルセロナに、ボルシア・ドルトムントはレアル・マドリードに先勝し、ブンデスリーガの2強がともに好調ぶりを示した。決勝で両チームが顔を合わせる可能性は高く、4月30日(火)、5月1日(水)に行われる準決勝第2戦が注目される。

bundesliga.deでは第2戦を前に、1997年にドルトムントを、2001年にはバイエルンを、いずれも監督としてCL優勝に導いたオットマー・ヒッツフェルト氏(64)を直撃した。現在スイス代表監督を務める同氏は今季はドイツ勢同士の決勝戦が実現すると予想するが、マドリードでも気を抜かぬように、とドルトムントを警告。ローテーションや出場停止の恐れのある選手、さらにここ数日の移籍騒動について語った。



bundesliga.de 先週のCL準決勝第1戦ではドイツ勢が欧州の舞台でも目覚ましい活躍を見せた。

ヒッツフェルト監督 まずはドイツ勢の両チームの見事な成果を評価したい。特に勝ち方が素晴らしかった。ブンデスリーガ首位のバイエルンがリーガ・エスパニョーラ首位のバルセロナを4-0で下し、2位のドルトムントが同じく2位のレアル・マドリードに4-1と大勝したのだから、勢力図が大きく変化した。欧州サッカー界の政権交代も間近といえる。だがCL決勝という大舞台に立つためには、バイエルンもドルトムントも、第2戦でしっかりと結果を出さなければならない。

bundesliga.de 第1戦でバルサに無失点勝利したバイエルンに比べ、ドルトムントの第2戦は難しいか。

ヒッツフェルト監督 レアルにアウェーゴールを許してしまったのは、かなり大きいと言わざるを得ない。また自分は経験から知っているが、(アウェーチームにとってレアルの本拠地)サンティアゴ・ベルナベウで勝つのは困難。レアルは前半1-0にしたら、ファンの大声援を受けて、3点差を跳ね返し奇跡の大逆転を成し遂げようと猛攻してくるに違いない。だが個人的にはドルトムントもバイエルンも、ともに決勝進出を果たすと確信している。ただドルトムントにとっては、容易ではないだろう。

bundesliga.de (バルサの本拠地)カンプ・ノウでもドイツ勢はこれまで分が悪く、バイエルン(2008/09シーズン)とシュトゥットガルト(2009/10シーズン)はともに0-4で敗れたほか、レーバークーゼン(2011/12シーズン)に至っては1-7の大敗を喫している。

ヒッツフェルト監督 それでも今回バイエルンは4-0で先勝しているだけに(決勝進出は)ほぼ確実だろう。バルセロナが今のバイエルン相手に4点を返すのは、どう考えても無理。今季のバイエルンは圧倒的な強さを誇っており、当時クリンスマン監督が率いて敗戦した4年前とは違うチームだ。

bundesliga.de フィリップ・ラーム、バスティアン・シュバインシュタイガー、ハビエル・マルティネス、ダンテ、ルイス・グスタボ、マリオ・ゴメスの6選手が、準決勝第2戦で警告を受けると、進出を決めても決勝では累積で出場停止となる。バイエルン側はどう対処するだろうか。

ヒッツフェルト監督 ハインケス監督は当然それを考慮し、6名全員を起用することはないと思う。だがこの6名全員を温存するのはリスクが大きすぎるだけでなくチームにとってもマイナスとなるため、それはないはずだ。

bundesliga.de ハインケス監督はブンデスリーガの試合では率先してローテーションを採用している 。正しいやり方だろうか。

ヒッツフェルト監督 特に今回のような第2戦の前では、体力温存が重要。バイエルンほどレベルが高く選手層の厚いチームなら、ローテーションを多用してもあまり問題はない。ドルトムントでも同じようにローテーションで対処しているが、バイエルンほど機能していない。アウクスブルク戦がその例だ。

bundesliga.de 先日はマリオ・ゲッツェのバイエルンへの電撃移籍が発表され、ロベルト・レバンドフスキについても様々な憶測が交わされている。こうした報道の影響は。

ヒッツフェルト監督 ないだろう。電撃移籍にはつきもので、至って普通のこと。すると誰が誰の後釜になるかといった憶測も常に飛び交うし、レバンドフスキの例もそうだ。試合に影響が出て、パフォーマンスが落ちるとは思わない。それは第1戦でも証明済みだ。

bundesliga.de ドルトムントには若い選手が多く、国際舞台での経験が豊富とはいえない。敵地マドリードでマイナスにはならないか。

ヒッツフェルト監督 クロップ監督がメンタル面も含め、チームをしっかりと整えてくるはずだ。昨年11月6日のグループリーグ第4戦の対戦では敵地マドリードでもう少しで勝てるところだった(注・89分に失点し2-2で引き分け)し、今回も拮抗した戦いになるだろう。またレアルはドルトムントを非常に警戒している。わたしはかなり楽観視している。

bundesliga.de レアル・マドリードの往年のFWアルフレッド・ディステファーノ氏がスペインのメディアに対し、レアルが奇跡の逆転を果たすためにはドルトムントにわなを仕掛け陥れなければ、と語った。このようなビッグクラブ同士の対決でも、そのようなものが通用するだろうか。

ヒッツフェルト監督 両チームはお互いのことを熟知しており、秘密といったものはほとんどないはず。それより監督に大事なのは、自身のチームの状況をしっかりと確認し、コンディションがあまり優れないのはどの選手か、温存すべきか、などを見極め、先発メンバーの決断に活かすことだろう。

bundesliga.de ということは、互いに相手の意表を突くことは不可能か。

ヒッツフェルト監督 戦術やシステムに変更を加える可能性はある。だがドルトムントとレアルは今季すでに3度対戦しており、毎回ベストの布陣が組まれている。この点からもお互いのことを知りつくしており、盲点などないだろう。

bundesliga.de ドイツ勢同士の決勝が実現した場合は、どちらを応援するか。

ヒッツフェルト監督 自分は完全に中立の立場。両チームで指揮を執った経験から、どちらにもいい思い出がある。両クラブには未だに深い思い入れがあるから。

bundesliga.de 今季もしドルトムントがCL優勝を果たせば、バイエルンにとってのシーズンは台無し、となるのだろうか。

ヒッツフェルト監督 監督の身になって今季を振り返れば、数々の記録を更新し、見事な成績を挙げた素晴らしいシーズンだと言えるだろう。だがここでCL優勝も果たせば、歴史に名を残せるのも確か。特にフィリップ・ラーム、バスティアン・シュバインシュタイガーらの世代は、まだこのタイトルを獲得していないだけに、(CL優勝への)想いも人一倍だろう。

bundesliga.de バイエルンは2010年、2012年と決勝に駒を進めながらも敗退している。それだけに、との声もある。

ヒッツフェルト監督 今季バイエルンが有利と見られているのは確かだ。だが優勝に値するのは、決勝の場でプレッシャーに負けずに最高のプレーを披露し、勝利をもぎ取ることのできるチームだ。

bundesliga.de 最後に、準決勝第2戦の予想を。

ヒッツフェルト監督 ドルトムント、バイエルンともにスペインで負けることはないだろう。

聞き手 ミヒャエル・ライス(Michael Reis)