1997年にリッケン氏は若き有望株として、ドルトムントでタイトルを獲得した。現在はドルトムントの育成組織コーディネーターとしてクラブに貢献している
1997年にリッケン氏は若き有望株として、ドルトムントでタイトルを獲得した。現在はドルトムントの育成組織コーディネーターとしてクラブに貢献している

「勝利を確信」

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ドルトムント育成部門コーディネーター リッケン氏インタビュー

【ドルトムント発・bundesliga.de 編集部】ドルトムントは火曜夜、対マラガでの勝利をもって欧州チャンピオンズリーグ準決勝進出を決めることができる。ドルトムントの現育成組織コーディネーターであるラース・リッケン氏は「選手たちがいままでのような試合をすれば、明確な勝利を予想する」と、古巣の白星をほぼ確信している。

リッケン氏自身、1997年当時ドルトムントの選手として、CL準々決勝で勝利への道に立っていた。第2戦対オセール(フランス)では、決勝ゴールを挙げている。ラース・リッケン氏はこの第2戦で準決勝進出へ最高の必要条件を見出しているが、bundesliga.deとのインタビューではマラガのカウンターのうまさを警告している。クオリティーと効率、マラガの攻撃のスター選手、そしてバイエルンとの準決勝の可能性について話を聞いた。

bundesliga.de リッケンさん、ドルトムントのハンスヨアヒム・バツケ社長は、チームに簡単な成功の秘訣を授けました。「すべて第1戦と同じようにやればいい。ただひとつ、たまにボールをゴールへ蹴りこむだけだ」と。同じ考えですか?

リッケン氏 まさにそれがポイントですね。ドルトムントはマラガで素晴らしい試合をしたし、0-0で満足できなくてはならない。もちろん勝てればなおよかったけれど、それはドルトムント自身にかかっている。今回はリードされないよう気をつけないといけない。どちらかがシュートすれば、ボールは3回くらい方向が変えられて突然ゴールに入ることだってある。そうなると点を追わなければならない。まさにそれは、スペインのチーム相手にするべきではないことです。ドルトムントは2年前、セビリア戦でその経験をしました。主導権を握っていたにもかかわらず、難しい状況になってしまった。でも選手たちがいまのところやっているようなプレーをすれば、ドルトムントが明確な勝利を挙げるでしょう。

bundesliga.de ドルトムントはマラガでの第1戦と、週末のアウクスブルク戦でもビッグチャンスを逃していましたが、心配することでしょうか?

リッケン氏 対アウクスブルクではドルトムントは最終的に4ゴールを決めました。それにチームは重要な試合で決定的な得点を入れられる状況にありますよ。彼らはそのことを何度も証明しています。たとえば、はいつでも決定打となるゴールを入れたいタイプですよね。も、第1戦では外したけれど同じようなイメージです。最後の精度は、効率的なことの心配がいらないようなレベルの高さです。チームはスペイン、イングランド、オランダの王者をホームで倒してきました。マラガ戦でゴールを決められずに敗退することは想像できませんね。

bundesliga.de クロップ監督はこの前のリーグ戦で、主力を休ませるために先発の大部分を変更しました。いいアイディアだったと思いますか?

リッケン氏 マラガも週末、同じようなことをやっていましたよ。それにドルトムントは主力に休養を与えられるだけの質の高さがあります。選手の多くがブンデスリーガ、EL、DFB杯や代表戦によって負担がかかっていることを忘れてはいけない。マラガ戦のように大切な試合を前に休むことは、とても意味があることです。

bundesliga.de リッケンさんからみて、の欠場はどのくらい痛手ですか?

リッケン氏 マッツはかなり長期間怪我で欠場しています。いま回復して戻ってきても、実戦から離れていたのに以前と同じクオリティーでプレーできるのかという疑問があります。でもそれはユルゲン・クロップだけが答えられることです。基本的には、センターバックはとの2人が、マラガに勝つだけのプレーができる状態にあると思いますよ。

bundesliga.de マラガは特にコンパクトな守備でうまさを発揮し、失点はごくわずかです。第2戦では攻撃的に試合をしてくると思いますか? マラガは最低でも1ゴール必要です。

リッケン氏 マラガは間違いなく、堅実な守備からのカウンターを狙ってきます。さらに累積警告で出場停止のウェリントンとイトゥーラという、守備の得意な2選手が欠場ですから、まずはコンパクトな布陣で、少ないチャンスを活かそうとしてくるはずです。セットプレーからのチャンスとカウンターで仕掛けてくるでしょう。

bundesliga.de ウェリントンとイトゥーラの出場停止は、ドルトムントにとって何らかの違いがあるとみていますか?

リッケン氏 ドルトムントのクオリティーの高さが違いを生み出すことはあっても、この両選手が出場するかしないかは関係ないでしょう。ドルトムントがピッチ上で彼らのクオリティーを示せば、相手のメンバーが決定的な違いをもたらすことはありません。

bundesliga.de イスコはスペインの才能ある選手というだけでなく、第1戦でもその実力をみせました。ドルトムントはこの20歳の若者に対して、特に注意するべきでしょうか。

リッケン氏 こういった選手は特に危険な存在ですね。何をするか分からない怖さがあります。相手にとって計算できないものを試合にもたらす。でもマラガでドルトムントはイスコをよく抑えていましたよ。第2戦でもそうなると思います。

bundesliga.de 第1戦の結果によって、ドイツの2チームとスペインの2チームがCLで準決勝進出する可能性が出てきました。これは現在の欧州での力関係を表しているのでしょうか。

リッケン氏 原則的にはそうですね。それにドイツの健全で財政的にもうまくいっている2チームが、サッカーでもCL準決勝進出という素晴らしい結果になれば本当にうれしいことです。スポーツ的な成功は矛盾のない哲学に基礎づいています。国際的なサッカーにおいてそれを実践できるのはうれしいことですね。

bundesliga.de それでは最後の質問です。いつバイエルンとドルトムントの対戦を望みますか? 準決勝、それとも決勝で?

リッケン氏 決勝ですね。でも再戦しなくてはならないとしたら、バイエルンにとってドルトムントはうれしい相手ではないと思いますよ。 ドルトムントは、バイエルンの華々しいシーズンの最後に、そのいくつかを壊す存在となるかもしれませんから。



聞き手 ディートマー・ノルテ(Dietmar Nolte)