敵地での第1戦を3-1で勝ち、優位に立つバイエルン。もはや行く手を阻むものはないかと思われた。競り合うのはドイツ代表DFメアテスアッカー(中央)と同MFミュラー(右)
敵地での第1戦を3-1で勝ち、優位に立つバイエルン。もはや行く手を阻むものはないかと思われた。競り合うのはドイツ代表DFメアテスアッカー(中央)と同MFミュラー(右)

バイエルン CL8強入り

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決め手はアウェー・ゴール数

バイエルン 0-2 アーセナル

欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦第2戦が14日、各地で行われ、ブンデスリーガで首位を独走中のバイエルンは、本拠地アリアンツ・アレーナでアーセナル(イングランド)に0-2で敗れた。第1戦との合計は3-3となったが、ロンドンにおける第1戦を3-1で制したバイエルンが、アウェー・ゴール数で勝り、8強入りを決めた。



バイエルンは負傷のリベリ、出場停止のシュバインシュタイガーのポジションには予想通り、、が起用された。 アーセナルはすでに欠場が決定していたウォルシャーに加え、休養を与えられたGKシチェニスキーと負傷中のドイツ代表FWポドルスキが遠征メンバーから外れた。ドイツ代表DFメアテスアッカーは右CBで先発出場を果たした。

大方の予想を覆し、先制点を奪ったのはアーセナル。3分、素早いショートカウンターから右サイドのウォルコットが鋭いグラウンダーのセンタリングを送ると、ジルーが左足でゴール。雪で濡れた芝にアラバが足を滑らせた隙を付き、アーセナルが狙い通り、早い時間帯に先制ゴールをあげた。合計スコアでまだリードしているとはいえ、 完全に出鼻を挫かれた形のバイエルンだったが、慌てることなくすぐにゲームの主導権を握った。守備を固めることなく、積極的な試合運びを見せ、徐々にアーセナルゴールに迫っていく。しかしアーセナルも第1戦と比べ、集中した粘り強い守備でバイエルンに得点を許さない。

後半に入っても、攻勢に出たのはホームで勝利を狙うバイエルン。アーセナルも準々進出にはあと2点が必要ながら、失点は絶対に許されない。辛抱強く守りながら、カウンターチャンスをうかがう我慢の展開が続いた。バイエルンは68分、のヒールキックでのパスで抜けだしたロッベンがGKと1対1のチャンスをつかんだが、ここはファビアンスキがファインセーブで凌いだ。アーセナルも79分に途中出場のジルビーニョがペナルティエリア内でシュートチャンスを得たが、枠を捉えることはできなかった。バイエルンも82分、右サイドからミュラーがドリブルで切り込みシュートを放つが、これもGKがファインセーブ。

81分にクロースに代えて守備的MFティモシュチュクを投入し、守備固めに入ったバイエルンだったが、85分アーセナルは右CKからコシエルニがヘディングシュートを決めて2-0。アウェー・ゴール2倍ルールのため、勝ち残りにはあと1点が必要なアーセナルが、最後の猛攻を仕掛けたが、バイエルンはそれ以上の失点を許さずに凌ぎ切った。

勝ち残りは決めたが、ホームで0-2の敗戦はバイエルンにとって納得の行くものではなかった。バイエルンが昨シーズン失速した大きな理由の一つが、シュバインシュタイガーの負傷離脱だったが、その存在感の大きさを再確認する試合となった。この日とグスタボが守備的MFでコンビを組み、それぞれ持ち前のボール奪取能力で相手の攻撃を寸断するだけではなく、積極的に攻め上がるなど攻撃でも貢献はした。しかし全体的に縦に急ぎすぎる攻撃のリズムを変えることはできなかった。

これに関して、ハインケス監督も試合後、「後半は良い攻撃を見せたが、普段うちの持っている落ち着きを見せることができなかった」と分析。「我々はまだなんのタイトルも手にしていない。リーグ戦もDFB杯もまだ決まっていない。そしてチャンピオンズリーグは別物だ。今後に向けていい教訓になった」と気を引き締めていた。

CL準々決勝組み合わせ抽選は15日に、欧州サッカー連盟(UEFA)本部のあるスイスのニヨンで行われる。