第3節、ドルトムントでの対戦では29分、フメルスがシュメルツァーのCKにヘディングで合わせて先制。レーバークーゼンの守備のミスも大きかった
第3節、ドルトムントでの対戦では29分、フメルスがシュメルツァーのCKにヘディングで合わせて先制。レーバークーゼンの守備のミスも大きかった

「真のトップゲーム」

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3日(日)レーバークーゼン対ドルトムントの見どころ

2月3日(日)17時30分キックオフ。第20節は、2位のレーバークーゼンと3位のドルトムントの対決でクライマックスを迎える。

「真のトップゲーム。理由は(リーグ2位と3位の対決という)現在の順位だけでなく、両チームの持つクオリティの高さにある」と、ドルトムントのクロップ監督は語る。今季レーバークーゼンの好調の要因のひとつが、ブンデスリーガで他に類を見ない4-3-3のフォーメーション。慣れないため、戦法にとまどうチームが多い。「レーバークーゼンのあのシステムは一見、攻撃的なようだが、実は彼らの強みは切り替えにある」と同監督。実際、高い位置でプレッシングをかけることは少ない。相手にボールを持たせ、試合の主導権を握らせておいて、ミスを突いてボールを奪ったら猛スピードでゴールへ走る、というパターンだ。

その重要な基盤が、レーバークーゼンの3枚のMF。右の、中央の、左のと、本職が守備的MFでドイツ代表クラスのレベルの高い3選手が揃っており、戦術理解力にも長けている。この3枚のMFが堅い守りでバックアップに入るため、サイドバックが高く上がることが可能となり、MFの低い位置からの絶妙なパスで、3枚のFWの俊足がさらに生きる。

これに王者ドルトムントがどう挑むかが、最大のみどころ。本拠地でニュルンベルクに大勝した前節金曜の試合から間が空いたため、8日間を集中的に「レーバークーゼンのシステム対処の練習に」使ったという。MF香川真司を擁しリーグ優勝を果たした昨季までの2シーズンで、クロップ監督が4-2-3-1のフォーメーションを変えたことはほとんどない。だが今季はチャンピオンズリーグや、リーグ戦でも昨年12月1日、敵地でバイエルン・ミュンヘンと引き分けた試合のように、3ボランチの布陣を選んだこともある。同監督は「あれを考えてもいい」とだけ話したが、ケール、前節のニュルンベルク戦で好調ぶりを見せたギュンドアン、上述のレーバークーゼンのラースの双子の弟であるスベン・ベンダー、ライトナー、シャヒンの5人の本職ボランチのうち3人が同時に先発する可能性もゼロではない。

「チーム力ではドルトムントのほうが一枚上。でも、うちはどんな試合でも勝てる。それがうちのサッカーの目標でもある」と2月1日の会見で話したのは、レーバークーゼンのヒピエ総監督。チームがシステムを完全に理解していなかったシーズン序盤は、思うように試合を運べなかった。今季を通じてこれまで最も歯が立たなかった相手が、第3節に0-3で敗れたドルトムントだ。「あの大敗が転機。その後、チームはキャラクターを示した」(ヒピエ氏)。シーズン半ばから目覚ましい成長を遂げたのが、ドルトムントに大敗したおかげ、というわけだ。イレブンは年明け2戦と同様で、左SBでは細貝萌ではなく、好調のポーランド代表DFベーニシュが先発するとみられる。

ブンデスリーガ18チームのうち、今季ホームでまだ黒星のないのはレーバークーゼンだけ。第14節からは2位の座を守り続けており、直近8試合(第12~19節)の成績に絞ると、勝ち点19でリーグ首位である。しかし対するドルトムントは、年明け2試合で得点8、失点ゼロと絶好調。この日、敵地でレーバークーゼンを破れば2位浮上が決まる。バイアレーナ収容人数の2割にあたる6千人のドルトムント・サポーターが応援に駆けつけるが、それを見届けることができるだろうか。

Yuko Kimura (ユーコ・キムラ)