キースリングは出場時間1773分、シュート70本、13得点。
キースリングは出場時間1773分、シュート70本、13得点。

ブンデスリーガを数字で分析

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乾貴士は平均で何分に1本シュート?

ストライカーがストライカーであるためには、絶え間なくシュートを打ち続けなければならない。シュート数は選手の攻撃力を測る一種の重要なバロメーターだ。

ブンデスリーガは後半戦が開幕して3節が終了。各チームに残されているのはそれぞれ14試合。シュート数という観点から、今季第20節までのブンデスリーガを振り返ってみたい。

まず、シュートを打った数が最も多い選手を5人挙げると以下のようになる。

1位 70本 (レーバークーゼン)
2位 65本 (フランクフルト)
3位 64本 (レーバークーゼン)
4位 61本 (ドルトムント)
5位 55本 (バイエルン)

このデータから得点ランキングで上位を占めるマンツキッチ、マイヤー、キースリング、レバンドフスキらがシュート数でもリーグを牽引していることが判明した。日本人最高はの53本で7位という結果。トップ5入りはならなかったが、ブンデスリーガ屈指のストライカーと肩を並べた。日本人で乾の後に続くのは25本の宇佐美貴史と20本の清武弘嗣だ。岡崎慎司は出場時間が600分と短いこともあり14本にとどまった。

次に、出場時間をシュート数で割り、上記の選手が何分に1本のペースでシュートを放ったのか算出した。1本1本のシュート間隔が短い順に選手を並べると以下のようになる。

1位 25分 マリオ・マンツキッチ
2位 25分 シュテファン・キースリング
3位 26分 アンドレ・シュアレ
4位 28分 アレクサンダー・マイヤー
5位 28分 ロベルト・レバンドフスキ

この比較では、1位マンツキッチと5位レバンドフスキの間で差が3分と微小だが、一方でリーグのトップストライカーでも25分に1度シュートを打つのがやっとだということが分かった。日本人でシュートの間隔が最も短かったのは乾で30分。後には41分の宇佐美、43分の岡崎、75分の清武が続いた。

最後のデータはゴールの間隔。出場時間を得点数で割った。ここではシュート数でトップの5人に加え、得点ランキングでトップ10に入っている8人のデータも紹介する。

1位 97分 マリオ・マンツキッチ(バイエルン)
2位 128分 ヤクブ・ブワシュチコフスキ(ドルトムント)
3位 130分 ロベルト・レバンドフスキ(ドルトムント)
4位 136分 シュテファン・キースリング(レーバークーゼン)
5位 139分 マム・ジェフ(ハノーファー)
6位 139分 トーマス・ミュラー(バイエルン)
7位 150分 アダム・ソロイ(マインツ)
8位 150分 アレクサンダー・マイヤー(フランクフルト)
9位 151分 ベダド・イビシェビッチ(シュトゥットガルト)
10位 168分 ニールス・ペーターセン(ブレーメン)
11位 187分 マーコ・ロイス(ドルトムント)
12位 194分 アルチョムス・ルドネフス(ハンブルガーSV)
13位 333分 アンドレ・シュアレ(レーバークーゼン)

※乾・・・313分、宇佐美・・・517分、清武・・・501分

得点の間隔が最も短かったのは、シュート数では5位だったバイエルンのマンツキッチ。2位ブワシュチコフスキに31分差をつけて余裕の首位だ。得点ランキングでは第15節以来キースリングを追う立場にあったが、第20節の2ゴールで首位に返り咲いた。マンツキッチの出場時間がキースリングよりも410分、つまり約4.5試合分短いというもの興味深い。ここにマンツキッチの決定力の高さが表れている。

逆に、シュート数の多さとは対照的な結果を見せたのがシュアレ。約333分に1得点という結果は、得点するためにマンツキッチよりも3.4倍の出場時間を必要とするということを意味する。この点では乾も313分で上位に大きな差をつけられた。

後半戦ではここまで圧倒的な決定力を誇るマンツキッチに対し、今後キースリングらがどのような追い上げを見せるのか。そして、「1シュート/30分、1得点/313分」という乾の現時点での数値が、どのような変化を見せるのかに注目だ。