前半戦を振り返る(9)

【ミュンヘン発・bundesliga.de 編集部】「フライブルクで最も有能な人間はベンチに座っている」。この言葉を発したのはFCバイエルンのユップ・ハインケス監督だった。この賞賛には、さすがのクリスティアン・シュトライヒ監督(47)も喜ばなかったわけがない。しかし、どんな賞賛があろうとも、決して浮かれない、決して自分を見失わない、というキャラクターこそ、シュトライヒ監督を表している。

華やかなブンデスリーガの世界において、シュトライヒ監督は異彩を放つ。練習には決まって自転車で現れる。愛想がよく、気取らない。それでいて現状に甘んじるタイプではない。「小規模なクラブとしての立ち位置に不満があるわけではない。ただ、現状維持を目標にしてやっていくつもりは毛頭ない。目指すところはさらに上にある」と語り、確固たる野心を持っていることを明らかにしている。

フライブルクは現在、これまでよりひとつ上のレベルへの発展段階にある。決して潤沢とはいえぬ資金で、ブンデスリーガの1部定着をやってのけた。若くて経験の浅い選手にかけるという、シュトライヒ監督の勇気が報われる時が来ている。「僕は精神科医じゃないんだ。ピッチでエネルギーを爆発させて、それが観客にも伝わればいいとは思っているだけ」といった彼の言葉には、人を惹きつける力がある。ハインケス監督もそんなシュトライヒ監督に魅せられた一人に他ならない。


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