Summary

  • フランスのヤングタレントが続々とブンデスリーガに参戦
  • いずれも母国で将来性を期待される有望株
  • 最高の成功例は昨季ブレイクしたウスマン・デンベレ

1年前の2016年夏、当時19歳だったウスマン・デンベレがドルトムントに加入して大ブレイクを果たすと、その後を追うように同じフランス人のポールジョージ・ヌテプがウォルフスブルクに、ダヨ・ウパメカノがライプツィヒに加入した。

そしてこの夏、リヨンのコランタン・トリッソがバイエルン・ミュンヘンに、パリ・サンジェルマンのダンアクセル・ザガドゥとジャンケビン・オギュスタンがそれぞれドルトムントとライプツィヒに、ナンシーのミカエル・クーサンスがメンヘングラートバッハ(ボルシアMG)加入した。フランス人の若手選手が増え続ける背景には、クラブと選手側の思惑の一致がある。

バイエルンはフレンチカルテットを形成

積極的に若手を起用するクラブも多いブンデスリーガは、フランスでも非常に高い評価を受けるようになった。実際、若い才能が次々と開花しており、フランス人の若手選手にとってはトップレベルのリーグで自身の力を試す絶好の場となっている。

バイエルンに加入したトリッソは入団会見で、「ポジション争いは非常に厳しいと思うが、僕はいくつものポジションでプレーできるので、試合に出られるよう全力を尽くしていきたい」と語った。バイエルンにはすでにフランク・リベリとキングスレイ・コマンが在籍し、今夏にはOBのウィリー・サニョル氏がアシスタントコーチに就任。心強い3人の同胞の存在については次のように語っている。

「サニョルとは電話で話をして、クラブと街について聞いたよ。それからカルロ・アンチェロッテイ監督のことも話してくれて、監督のいいところをたくさん教えてもらった。監督がフランス語を話せるのは、もちろん自分にとって助かる。コマンとリベリのことも知っているし、リベリがこれだけ長くバイエルンに在籍しているというのは、クラブの良さを物語っていると思う」

お手本は1年目で大ブレイクしたデンベレ

ライプツィヒに加入したオギュスタンもまた、ブンデスリーガ挑戦に強い意気込みを見せている。「自分のような若い選手がベストな成長をするために、ここは最適な場所さ。一生懸命やれば試合に出るチャンスはあるはず」。オギュスタンは若いタレントがひしめくチームでレギュラー獲りを狙う。

ブンデスリーガに参戦する彼らにとってお手本になるのが、ルーキーイヤーで大活躍したデンベレだ。ドルトムントでブレイクを果たした攻撃のオールラウンダーは、「フィジカルと戦術の面で成長したと感じている。日々の練習もフィジカル重視で、ペナルティーエリアで激しい攻防になる」と話し、日々の積み重ねの重要性を強調する。

若いタレントを求めるクラブ、成長の場を求める選手

かつてバイエルンの左サイドバックとして活躍した元フランス代表のビセンテ・リザラズは、当サイトのインタビューでこう答えている。「10年、20年ぐらい前まではブンデスリーガよりもイングランド、スペイン、イタリアのほうが優先順位が上だった。(でも今は)若い選手の選択肢としてプレミアリーグの次にブンデスリーガがくる。なぜなら、若手が最も成長できるリーグだからだ」

フランスのアカデミーは育成能力に定評があり、現代サッカーに欠かせないテクニック、戦術、フィジカルのすべての面で鍛え上げられたタレントがひしめいている。フランスの若手が引っ張りだこになるのも当然だ。そして、才能豊かでハングリーなフランスの若武者にとって、ブンデスリーガは魅力的なリーグに映っている。

ドルトムントで即戦力として期待されるサガドゥも、ボルシアMGに加入したクーサンスも、クラブ側はその将来性を、選手側は成長のチャンスが求めた結果、双方の思惑が一致して移籍が実現している。フランスの有望株とブンデスリーガの良好な関係は今後さらに進展しそうだ。