Summary

  • 第3節でホッフェンハイムが王者バイエルンを撃破
  • ナーゲルスマン監督の就任以来、バイエルン戦の戦績は2勝1分け
  • Uー19チームの指揮官時代も含め、バイエルン相手に無敗を誇る

ホッフェンハイムを降格の危機から救い、欧州カップ戦出場へと導いたユリアン・ナーゲルスマン監督が、欧州で最も成功を収めているカルロ・アンチェロッティ監督との対戦で無敗をキープしている。ナーゲルスマンの手にかかればサッカーがとても簡単なものに見えてくるから不思議だ。

ナーゲルスマン率いるホッフェンハイムは9月9日、バイエルン・ミュンヘンからまたしても勝利をもぎ取った。これでナーゲルスマン就任以降の対戦成績は2勝1分け。バイエルンはボール保持しながらも、ホッフェンハイムの粘り堅守を最後まで崩すことができなかった。

欧州チャンピオンズリーグ(CL)優勝3回、欧州主要4カ国でリーグ優勝を成し遂げているアンチェロッティも、この日は自軍が劣っていたと認めざるを得なかった。「厳しい試合だった。何度も攻撃に出て、たくさんの得点機会を作ったが、集中力を欠いている部分があった。スペースも十分ではなかった。やり方を変えてスペースを作ろうとしたが、うまくいかなかった。サッカーの試合ではこういうことが起こり得る」

第3節が終了したばかりの現時点で、今季の優勝争いが混戦になると断言するのは時期尚早だろう。しかし、昨季の4位チームと優勝チームの対戦結果は、リーグ全体に向けた重要なメッセージであったと同時に、ナーゲルスマン監督の才能を見せつけるものでもあった。

昨季は敵地で勝ち点1を獲得し、ホームでは1ー0の完封勝ち。これはナーゲルスマンがクラブのメンタリティーを根本から変え、選手個々の能力を最大限に引き出した証拠でもある。

ナーゲルスマンの就任以前、ホッフェンハイムは対バイエルン戦16試合で4分け12敗とブンデスリーガで勝ったことさえなかった。ところが、ナーゲルスマンの就任以降は3試合で勝ち点7を獲得。さらにブンデスリーガではホーム19試合無敗を誇り、通算でもわずかに1敗しかしていない。

指揮官は個人的な記録が注目されることを嫌う。バイエルン戦後には、「記録にはあまり注意を払っていない。どの試合にも勝ちたいと思っているからだ」とコメントしている。一方で、「バイエルン戦の勝利は特別だ。彼らはワールドクラスだからね。みんなが喜んでいる」とも付け加えた。

ナーゲルスマンは数字に対して謙虚すぎるのかもしれない。しかし、サポーターやメディアはプロレベル以外で残した実績も含め、間違いなく彼の数字に注目している。彼はホッフェンハイムのUー19チームを率いていた時も、バイエルン戦で5戦無敗(4勝1分け)を誇っているのだ。

Uー19チームであろうとトップチームであろうと、ナーゲルスマンは選手たちにバイエルンと互角以上にわたり合えるという自信を植え付ける。落ち着いたパス回しや流動的なポジションの変更……ホッフェンハイムの試合を見れば、いかに選手が自信を持ってプレーしているかが分かる。そして、勝利という結果は選手にさらなる自信をもたらす。

昨季の開幕以降、ホッフェンハイムがホームで敗れたのは今年8月に行われたリバプールとのCLプレーオフ第1戦のみ。選手がその失敗から学ぶことを期待していたナーゲルスマンはバイエルン戦後、「リバプール戦とは違うところを見せたかった。今日はそれができたと思う」と満足そうに話した。

CLに出場するバイエルンからの勝利は、リバプールに敗れたことに対する最高のリアクションだった。そして、バイエルンとの大一番を乗り切った今、ホッフェンハイムのホーム無敗記録を止められるチームを思い浮かべるのは難しくなった。ライバルチームがナーゲルスマンの上をいくためには、彼を凌駕するだけのチーム掌握術が必要だ。