Summary

  • フランクフルトは4位でウィンターブレークに突入
  • 第16節終了時点で勝ち点29は23年ぶりの好成績
  • 躍進の立役者コバチ監督と2019年まで契約を延長

アイントラハト・フランクフルトマインツとの“ライン・マイン・ダービー”で3-0の快勝を収め、4位でウィンターブレークに入った。第16節終了時点で勝ち点29は23年ぶりの快挙、失点12はクラブレコードであり、4月からホームでは一度も負けていない。わずか8カ月前に降格寸前だったクラブは、いかにして欧州チャンピオンズリーグの出場権を争うまでになったのだろうか。

チームの指揮を執るニコ・コバチがこの成績を誇りに思うのも当然のこと。今年3月にアルミン・フェー氏の後任として指揮官に就任した元クロアチア代表MFは、この9カ月半をこう語る。「クラブがどうやって残留したか、そしてチームがどう変化してきたかを思えば、非常に満足している」。昨季16位に終わったフランクフルトはニュルンベルクとの昇降格プレーオフに回ったが、そこで“不可能を可能にする”戦いを演じて見事残留にこぎつけた。

そうして迎えた今季、コバチ監督は多国籍からなるメンバーをすぐに一つのチームにまとめ上げた。「誰も予想していなかったことを我々はやってのけた。とてもいい気分だ」。チームの完成度には指揮官自ら自信をのぞかせる。その一方で、前半戦の好成績については「単に現時点のことに過ぎない」とも話し、クラブの代表取締役を務めるフレディ・ボビッチ氏とともにしっかりと地に足をつけている。コバチ監督とボビッチ取締役が目標の上方修正を口にするのは勝ち点が40を超えた後だろう。

内容が悪くても勝てるチームに

フランクフルトの成長ぶりには誰もが驚かされているが、監督にニコ・コバチを、そしてアシスタントコーチに弟のロベルト・コバチを招へいすることを決めたブルーノ・ヒューブナーSDは安堵していることだろう。かつてバイエルン・ミュンヘンハンブルガーSVヘルタ・ベルリンの攻撃的MFとして鳴らしたニコは、すぐさま監督としての手腕を発揮。クラブとの契約も2019年まで延長した。ピッチに立つ選手についてもセンターバックのダビド・アブラハム、右サイドバックのティモシー・チャンドラーが2020年まで契約を延長、チームの策略家・長谷部誠も2018年までの新契約を結んだばかりだ。

選手たちはフランクフルトでのプレーを楽しんでいる。アグレッシブで妥協のない姿勢、強い意志に裏打ちされた闘争心とスタミナ。“コバチ・アイントラハト”は指揮官がかつてピッチ上で見せていた姿と重なる。アクセル・ヘルマン取締役も「首脳陣のチーム作りは素晴らしい」と手放しで称える。マインツ戦がそうだったように、今のフランクフルトには低調な内容でも勝ってしまう勢いがある。

夏の補強も大成功

マインツとのダービーではエースのアレクサンダー・マイヤーが病気で欠場したが、それでもチームは勝利した。18分にブラニミール・ルゴタのゴールで先制すると、75分には途中出場のエイメン・バーコックが加点。さらに85分には再びルゴタが決めてダメを押した。まだ18歳のバーコックの成長は、指揮官の選択肢がまた一つ増えたことを意味する。モロッコにルーツを持つバーコックはフランクフルト育ちの攻撃的MF。2カ月前にプロ契約を交わしたばかりだが、短い出場機会の中で類まれなトリックプレーを見せており、コバチ監督も「彼のような選手はブンデスリーガにもそうはない」とその才能にほれ込んでいる。

その言葉は夏に加入したスペイン人コンビ、19歳のDFのヘスス・バジェホと23歳のMFのオマール・マスカレルにも当てはまる。今夏の補強には批判的な目も向けられていたが、フタを開けてみれば大当たり。また新戦力のみならず、サボルチュ・フスティ、バスティアン・オチプカ、マーコ・ファビアン、アブラハム、そして長谷部といった経験豊富な選手たちもコバチ監督の下でパフォーマンスを向上させている。

「ブンデスリーガは非常に消耗を強いる戦いだ」。心身ともに相当なエネルギーを費やしてきたことを明かしたコバチ監督は、トレーニング開始の1月3日まで故郷のクロアチアと自宅があるザルツブルクでつかの間の休暇を過ごし、後半戦に向けて新たな力を蓄えるつもりだ。