マインツのエースと言われるような活躍がしたい」。第2節メンヘングラートバッハ戦でブンデスリーガに初先発し、チームの勝利に貢献した武藤嘉紀は、明確な目標を口にした。試合終盤に2度の決定機を外した悔しさは残っていたに違いないが、その一方で得点に限りなく近づけたことに対して手応えを感じているようでもあった。その翌週、メンヘングラートバッハ戦でつかんだ手応えは確信に変わる。ホームで行われたハノーファー戦で武藤は2ゴールを奪い、自らがブンデスリーガでも通用する選手であることを結果で示したのだ。ブンデスリーガ公式サイトでは、この第3節を前にインタビューを行っていた。話題は海外ならではのハプニングやフランクフルトに所属する長谷部から受けたアドバイスなど、多岐に及んだ。

ーードイツに来て約2カ月が経過しました。振り返ってみていかがですか?

武藤 最初は馴染むのに時間がかかるかなと思ってたんですけど、チームメートであったり、マインツの方々が本当に親切なので、すんなりチームに入ることができました。それでチームメートやドイツ人の人柄がすばらしいな、ということを実感しましたね。

ーーそろそろドイツの国民性やお国柄も見えてきた頃ではないでしょうか?

武藤 ドイツ人は非常に真面目で親切という印象です。国としては、サッカーファンやサポーターの応援が熱くて、サッカーに対する関心が他国よりも強いのではないかな、と思います。

ーー自分のプレースタイルや性格については、どのように捉えていますか?

武藤 選手としては、スピートであったり、献身的に攻守で貢献するところが自分の特徴だと思います。まだゴールは決めれてないですけど、ゴールに対する意識だったり、あとはドリブルが得意です。人間性としては、とにかく明るいですし、それほどネガティブになることもないので、それもあってマインツにすぐに馴染めたのかな、と思います。

ーーマインツでは、昨シーズンまで岡崎慎司選手がエースストライカーとして活躍していました。岡崎選手の存在が、現在の武藤選手を取り巻く環境に影響を与えていると感じることはありますか?

武藤 やっぱり岡崎選手がこれだけ結果を残して、マインツの中心選手としてプレーしていたので、多少なりとも自分に対するプレッシャーはあります。ですが、 やっぱりその期待に応えたいですね。せっかくオファーをしていただいて、マインツに呼んでいただいたからには、プレーで貢献したいと思いますし、温かく迎えてくださったマインツのサポーターの方々に喜んでもらえるようにプレーしないといけないな、と思います。

ーーチーム全体で守り、鋭いカウンターから得点するというマインツのサッカーには、現時点でどの程度適応できたと感じていますか?

武藤 自分の長所である攻守においてハードワークするところは受け入れられていますし、でもまだまだ前回の試合(第2節メンヘングラートバッハ戦)には90分近く出ましたけど、正直最後の方は体力も残っていなくて、足も釣っている状態だったので、今後試合に出続けてコンディションを上げていくことが必要だな、と感じています。とにかく試合に出続けられるようにしっかりアピールして、練習から100%以上で取り組みたいな、と思っています。

ーー新たな挑戦を始めたばかりの武藤選手ですが、当面の目標はどこに設定していますか?

武藤 今までのサッカー人生で、初めからあまり大きな目標を掲げるということはしていなくて、目先のことを1つひとつクリアしてから新しい目標を作るのが自分のスタイルです。まずはマインツでしっかり結果を残す、得点する、それでマインツのエースと言われるような活躍をしていきたい、と思います。

ーー慣れない海外生活を送る中で、いろいろと驚くことも多いと思います。ドイツに来てから何かカルチャーショックのようなものは経験しましたか?

武藤 驚いたことというか、車の運転なんですが、日本は左側通行で右ハンドルなので、そこで危ない思いをしたということはありましたね(笑)

ーー7月に長谷部選手と食事に行ったことをツイッター上で報告しましたが、大先輩から受けたアドバイスがあれば教えて下さい。

武藤 長谷部さんには、ドイツ人のフィジカルの強さは日本とはちょっとレベルが違うということは言われましたし、それに対する体の当て方とかキープの仕方はプレーしていくことによって徐々に慣れてくるものだから、最初うまくいかなくても考えてプレーしてれば徐々に良くなってくるよ、とアドバイスをいただきました。

ーー最後に、試合前に欠かさず実践しているルーティーンのようなものがあれば、教えてください。

武藤 特にないですね。試合前は洋楽のアップテンポな曲を聞いて高めることはしますけど、特に気にせず、あまり固くならないように心がけています。




武藤嘉紀のプロフィール

1992 年7月15日生まれ、東京都出身。178cm、72kg、FW。この1年でめきめきと頭角を現し、日本代表に定着。挑戦の場をFC東京からブンデスリーガのマインツに移して迎えた今シーズン、「目に見えるゴールやアシストという結果を出していきたい」と抱負を語っていた。昨シーズンまで同クラブに所属し、歴代ブンデスリーガ所属日本人選手の最多得点記録を持つ岡崎慎司の存在を超えられるか注目が集まる。

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