欧州に押し寄せる数十万人の難民――。通貨危機に続き、これは今EU内で最大の懸念事項として扱われている状況だ。そんな中、他国からの批判はあるものの、ドイツは彼らを受け入れる姿勢を保持。市民やブンデスリーガクラブがさまざまな形で救いの手を差し伸べている。その様子を以下に紹介していく。

サッカーキャンプ

ミュンヘンでは、同都市に本拠地を構えるバイエルン・ミュンヘンが、子どもたちにトレーニングキャンプを提供する予定。サッカーをプレーする機会を与えるだけでなく、ドイツ語の授業や食事、そしてスパイクなどの用具もプレゼントされるという。これについてバイエルンのカールハインツ・ルンメニゲ社長は「困窮する人々を助け、ドイツに招き入れるという今の状況は、政治社会における責任だと我々は見ている」と声明を発表している。

U-23チームへの練習参加

清武弘嗣と酒井宏樹が所属するハノーファーは、2軍にあたるU-23チームの練習に2人の男性を招待。それぞれイラクとシリアからやってきた避難民で、彼らは祖国でプロサッカー選手としてプレーしていた。またウォルフスブルクシュトゥットガルトブレーメンなども難民の人々を招待し、下部組織などでの練習参加を計画している。

スタジアム訪問

香川真司が所属するドルトムントは、難民の宿泊場所に自前で車を用意し、8月27日に行われた欧州リーグ(EL)プレーオフ第2戦のオッドBK戦に招待した。また9月8日には宮市亮のザンクト・パウリがドルトムントをホームに迎えてテストマッチを実施するが、この際にも1000人が観戦に訪れる予定である。さらには武藤嘉紀が所属するマインツは、すでにブンデスリーガ第3節のハノーファー戦で200人を招待し、続く第4節でも400人が招かれる予定。原口元気のヘルタ・ベルリンホッフェンハイムアウクスブルク、ブレーメン、メンヘングラートバッハ(ボルシアMG)らも、近いうちに同様のことを実現させる予定で、レーバークーゼンは試合前に避難民の子どもたちと手をつないでピッチに入場するプランを持っている。

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サッカー用具をプレゼント

ハノーファーのマーティン・キント会長は「彼らを保護するため、寄付を行いたかった。用具があればいつでもサッカーできるからね」と話し、すでにユニフォーム一式とボールを難民に寄付している。バイエルンもメインスポンサーのアディダスの協力の下、250名にジャージやプルオーバーを、シュトゥットガルトもスパイクなどをプレゼントしている。また、長谷部誠が所属するアイントラハト・フランクフルトは、クラブのレジェンドであるカールハインツ・ケアベルとオカ・ニコロフが宿泊所を訪問し、ユニフォーム100着を寄贈。同クラブは昨年も同様のチャリティーを行っている。

その他の活動

【バイエルン】

親善試合の収益金100万ユーロ(約1億3500万円)を寄付。

【マインツ】

1万4000ユーロ(約190万円)を寄付。ニコ・ブンガートら1軍の選手が子どもと一緒にサッカーをするイベントも開催。

【ケルン】

昨年のクリスマスに5000ユーロ(約68万円)を寄付。

【ダルムシュタット】

ホームで毎試合サポーターから募金を集めている。

【ハンブルガーSV】

1300人に練習場を開放。また地元のライバル、ザンクト・パウリのラッセ・ソービヒとともにイベントを開催。

【シャルケ】

ガーナからの移民で元ドイツ代表のゲラルド・アザモアを起用し、「♯STEHTAUF」という啓蒙活動を実施。STEHTAUFとは日本語で「立ちあがれ」。