内田篤人のチームメイトであるシャルケのFWマキシム・チュポモティングは、昨季チームに訪れた不調の波を象徴するような存在だった。前半戦はブンデスリーガ内でもトップクラスのゴール数を誇ったが、後半戦ではまさかのノーゴールに終わった。しかし彼は、今季開幕戦で輝きを取り戻した。3-0と快勝したブレーメン戦で1ゴールを挙げ、再び存在感を示したのだ。そのチュポモティングがブンデスリーガ公式サイト(Bundesliga.com)の単独インタビューに応え、昨季のこと、そして素晴らしいスタートを切った今季について話した。

ーーチュポモティング選手、ついこの間までシャルケというクラブと熱狂的ファンとの間の関係が危ぶまれていました。今はまたファンたちクラブ愛が戻りつつあります。このような目まぐるしい展開に、どう対処するものなのですか?

チュポモティング サッカーという競技がこれだけ人の心を惹きつける昨今、ファンたちの感情も、その振り幅が大きくなるばかりだと思っています。昨季の僕たちを取り巻いた状況は、チームが上手くいかない時、どういう状況が起きてしまうのかを示す良い例でした。シャルケは特別な感情に支えられた、特別なクラブです。だから、周囲にはすぐに不協和音が沸き立つ。でも、長年プロ選手をしていると、それも付きものだと思うことができるし、どう対処するか、どうやって早くその状況を打開するのかが、分かるようになってくるものです。僕たちは今季、素晴らしいスタートを切り、魅力的なサッカーを見せることができている。 『魅力的なサッカー』が、僕たちの第一目標であるべきで、それでこそファンの信頼を得られるのです。

ーー不調のシーズン後、それを夏の休暇に持ち込んでしまうものですか?それともさっぱりと忘れることができるのでしょうか?

チュポモティング 迷える心につける薬はありません。苦しい時期だからこそ学ぶこともあります。でも、お話したようにプロ選手は、早く悪い状況を打開する術を知っています。僕の場合は、また良いプレーができる、良い時期がくるという確信があったので、この夏の休暇に昨季の不調を持ち込みませんでした。僕たちは、あえて過去の不振に触れない新しい監督を迎え、新しいコンセプトの下で仕事をしている。僕たちは目標を共有していて、それがとても良い影響を与えてくれます。

ーーシャルケの選手たちがまた、チームとしてひとつになっている姿が見受けられます。試合後には全員でダンスをする光景もありましたね。

チュポモティング それについては、監督の影響がとても大きいと思います。試合後のダンスが象徴するように、僕たちはまたチームとしてひとつになっている。お互いを良く理解しているし、チームメイトと居るのが楽しい。それでこそ一緒に戦うことができるし、同じ目標に向かうことができると思います。合宿中にそのベースができて、今はそれを継続しています。もちろんシーズン中には難しい状況も訪れるかも知れないけれど、そういう時にチームが一体であること、自分たちの力を信じることが大事で、それがシーズンの行き先を決めるのです。

ーーアンドレ・ブライテンライター新監督は、始めから選手の心をつかんだようですね。簡単なことではないと思いますが。

チュポモティング 監督は早々に、僕たちが何を向上させなければならないか話してくれました。例えば、もっとコンパクトな布陣で試合を運ばなくてはならないこと、体力面を改善しなければならないことなど。そして彼は、そういう明確にものを言う一面だけでなく、砕けた部分も持ち合わせています。合宿中には、僕たちが良い成果を出したご褒美に、午後の練習が休みになったこともありました。ブライテンライター監督は、常に正しい見解を持っていて、その一言一言が厳しい練習中でも、僕らのやる気を刺激するのです。

ーーご褒美の反対に、罰などもあるのですか?

チュポモティング 監督が合宿中に僕らに罰を与えたことは、思い浮かばないですね。ただ、僕らがある日の練習で、体力的に追い込めなかったことに対し、厳しい言葉がかかりました。その翌日は、普通以上に厳しい練習内容になることも明確でした。

ーー監督以外に、今季になって新しくなったことはありますか?

チュポモティング 僕たち全員に、昨季の経験を無駄にしないという意識があります。ブンデスリーガのレベルでは、見栄えだけ良い個人のアクションだけでは、試合に勝つことはできません。昨季の不振は、僕たちに負け犬としての悔しさを焼き付けました。シャルケではそんなことが起きてはならない。僕たちは全員、また楽しんで自分たちの仕事ができることを望んでいるのです。

ーーシャルケは、いつでも大志を抱いているクラブです。その中で、欧州チャンピオンズリーグ(CL)の無いシーズンというのは、どういう風に捉えられますか?

チュポモティング チャンピオンズリーグが無いシーズンを無意味なシーズンだとは全く思いません。第一に、僕たちはブンデスリーガを戦わなくてはならない。そして欧州リーグ(EL)に参戦することも、ポジティブに捉えています。ドイツのクラブを代表して欧州の舞台で戦うことは、いつでも誇らしいことです。今季のCLに参戦するクラブは、それに見合った成果を出したのです。ブンデスリーガのいくつかのチームは日に日に進歩を見せている。これからは、コンスタントに力を出すことができなければ、CLの出場枠を獲得することが難しくなることは、僕たちもしっかりと心得なければなりません。

ーー新しいシャルケの強さの効能は、どれだけ続きますか?

チュポモティング シーズンはまだ始まったばかりです。でも、チームに良い雰囲気だということ、プレシーズンからこれまで1試合も負けていないだけでなく、相手を圧倒できていることは、好材料だと感じています。ブンデスリーガでは、スタートが肝心なので、 とても良い感触ではありますね。

ーー次の土曜日(8月25日)には、ダルムシュタットとの対戦が待っています。ブライテンライター監督が、パーダーボルンにおいて昇格チームの勢いを自ら指揮した経験は生きると思いますか?

チュポモティング もちろん、そう思います。監督は僕たちに適切なアドバイスを与えてくれると。ダルムシュタットの選手たちは110%の力で向かってくるはずです。彼らにとっては毎試合が特別で、勝つために全てを掛けてくる。加えて相手は素晴らしいシーズンを送りブンデスリーガ2部から昇格したし、甘く見ることはできない。でも、僕たちのホームゲームで、僕たちシャルケは、違いを見せつけなくてはならないのです。

聞き手:アンドレアス・キュッター