香川真司が所属するドルトムントは6月3日、トーマス・トゥヘル新監督の就任記者会見を開いた。これが仕事始めとなった同監督は、やる気と自信に満ち、それでも心静かに落ち着いた様子で大勢詰めかけた取材陣からの質問に応じた。

〈目標〉

トゥヘル監督は冒頭に「我々はプレーする全ての舞台で挑戦者であるが、第一に目指すのはドイツ国内の頂点だ」と明言し、“重荷“ではなく“モチベーション“として「上位4クラブ(バイエルン、ウォルフスブルク、メンヘングラートバッハ、レーバークーゼン)との差を挽回しなければならず、挑戦者として勢力を強めていかなくてはならない」と続けた。その言葉に満足した様子でドルトムントのハンスヨアヒム・バツケ社長は、先日のドイツサッカー連盟杯(DFB杯)決勝での敗戦を吹き払うように「我々は今日から再び戦う集団として立ち上がる」と語気を強めた。

〈キーワード〉

巻き返しに挑むためのキーワードとして新監督は「勤勉さ、謙虚さ、大胆さ、実直さ、粘り強さ」を挙げ「特別な取り組みを構築していかなくてはならないし、特別な心構えをもって挑まなくてはならない」と、表情を引き締めた。そして何よりも「チームワーク」の重要さを強調。「各々のエゴを差し置き、全員がクラブの成功のために力を注ぐ集団としての雰囲気を創り出さなければならない。それはどんな時でも、例えば毎回の練習、そして第一にスタジアムで感じられるものでなければならない」とし、その雰囲気には新監督自らの振る舞いが大きく影響するとの認識を示した。

〈クラブからの期待〉

クラブがトゥヘル監督に期待を寄せるのは、そのフレキシブルな戦術だ。スポーツディレクターのミヒャエル・ツォルク氏は新監督を「理にかなった決断だった。彼にはボールの奪い方、そしてボール保持の状態で明確なビジョンがある。そして彼は、長期に渡って選手とチームを成長させることができる」と評価した。

〈スタイル〉

ボール奪取とボール保持を身上とするトゥヘル監督のスタイルは、前任であるクロップ監督の業績ともシンクロする。「ユルゲン(クロップ監督)は、監督以上の存在だった。ドルトムントは彼のスタイルを受け継いだ。ここから新しいスタイルを発掘していくのではなく、今ある土台からその次の段階を構築したい」と、前任監督の仕事に敬意を表した。自ら仕掛け、主導権を握るサッカーはドルトムントのシンボルだ。ボールを失った時点ですぐさま奪い返すスタイルは新監督の下でも引き継がれる。具体的な戦い方についてトゥヘル監督は「ボールを保持することは非常に重要だ。相手のゴール前までボールをどう運ぶのか、常に計算されていなくてはならない。ファンは攻撃的なサッカーを期待している。私自身もそのほうが楽しと思うし、気分が良い」と言及した。

〈新戦力〉

新戦力の補強については「すでに素晴らしい選手がバランス良くそろっているし、一人として必要のない人間はいない。あとは具体的で確実なビジョンを描くため、若干の希望があるだけだ」と現状を維持しながら補強を進める考えを述べた。