Summary

  • ブンデスリーガ史上最年少の28歳でホッフェンハイムの監督に就任
  • 今季第27節ではクラブ史上初のバイエルン戦勝利
  • 今年3月には2016年のDFB最優秀監督賞を受賞

2016年2月11日、当時28歳だったユリアン・ナーゲルスマンがホッフェンハイムの監督に任命された時、彼がその後に成し遂げる偉業を予想できた者は一人としていなかっただろう。ナーゲルスマンの監督就任は当初、翌シーズンからの予定だったが、フーブ・ステフェンス前監督が健康上の理由で辞任。計画よりも早くトップチームを率いることになった。

ナーゲルスマンが監督になった時点で、チーム状況は最悪だった。ブンデスリーガで順位表の下から2番目に位置し、残留ラインとの勝ち点差は「7」まで開いていたのである。しかし、ナーゲルスマンの就任後、チームは驚くべき変化を遂げる。残りの14試合で7勝を挙げて残留を決めると、今季はここまでわずか3敗。見事な成績を挙げてクラブ史上初の欧州カップ戦出場を決めている。

ナーゲルスマンのもう一つの快挙は、第27節のバイエルン・ミュンヘン戦で勝利を収めたことだ。ホッフェンハイムは通算18試合目にして初めてバイエルンを破り、29歳のナーゲルスマンはクラブの歴史を塗り替えたのである。

20試合で2勝しか挙げられていなかったチームは今、見ていて楽しく、何より負けないチームになった。ナーゲルスマンがブンデスリーガの最年少監督になってから13カ月、リーグ戦で彼のチームよりも勝ち点を積み上げているのはバイエルンとドルトムントだけである。

ナーゲルスマンの戦術には柔軟性がある。守備では対戦相手に応じて3バック、4バック、5バックを使い分け、選手の才能も開花させている。サンドロ・ワーグナーはナーゲルスマンの下で復活を遂げ、今季はすでに11ゴールを記録。また、センターバックのニクラス・ズューレとMFのセバスティアン・ルディはその活躍が認められ、来季はバイエルンに移籍することが決まっている。

ホッフェンハイムには有名な過去がある。ブンデスリーガに初昇格した2008/09シーズン、チームはラルフ・ラングニック監督の下でシーズン前半戦をトップで折り返したが、後半に調子を落として最終順位は7位。欧州カップ戦出場の夢は絶たれた。しかし、この悪夢が繰り返されることはなかった。ナーゲルスマン率いるチームは来季、欧州の舞台で強豪チームと対戦することになる。

今季はリーガ史上6チーム目となるシーズン前半戦無敗。その記録は第18節のライプツィヒ戦で途絶えたが、初黒星の時期は欧州5大リーグの中で最も遅かった。「初黒星を機に不調に陥るのではないか?」という懸念もあったが、直後のマインツ戦で4ー0の圧勝を収めて周囲の不安を一掃してみせた。その後はわずか2敗。魅力的なパスサッカーで注目を集め続けている。

ナーゲルスマンは今年3月に2016年のDFB(ドイツサッカー連盟)最優秀監督賞を受賞。2014年にドイツ代表をワールドカップ優勝に導いたヨアヒム・レーフ監督も称賛の声を送っている。

「もし彼がこの調子で仕事をしていったら、素晴らしい監督になることは間違いない。おそらく、ドイツ国内の別のクラブか海外クラブを率いたいと思っているだろうね。将来は代表チームも率いると思う。その可能性は十分にある」

すでに欧州リーグ(EL)出場権を確保し、欧州チャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得の可能性も残している。それが実現すれば、ナーゲルスマンとホッフェンハイムにふさわしい活躍の場になるだろう。