Summary

  • 香川所属のドルトムント、ボス監督が就任
  • 新指揮官について知っておきたい10項目

香川真司が所属するドルトムントは6月6日、ペーター・ボス新監督の就任を発表した。53歳のオランダ人指揮官について知っておきたい10項目を以下に紹介していく。

1)国際経験

フィテッセ(オランダ)でプロデビューを飾ったボス氏は、現役時代にツーロン(フランス)、ジェフユナイテッド市原・千葉、ハンザ・ロストックなど、4カ国でプレー。指導者としても2015/16シーズンにマッカビ・テルアビブ(イスラエル)で監督を務め、祖国以外でも活躍した国際経験豊富な人物だ。

2)ブンデスリーガ

上述のように、ボス氏は1998年1月から半年間、当時ブンデスリーガに在籍していたロストックでプレーし、主に守備的MFとして14試合に出場。そのシーズンに優勝を飾ったカイザースラウテルンと2ー2で引き分け、また前年の欧州チャンピオンズリーグ(CL)覇者ドルトムントに3ー1で勝利するなど、同クラブのシーズン6位というセンセーショナルな結果に大きく貢献している。

3)優勝の味を知る男

ドルトムントは今シーズン締めくくりとなるドイツサッカー連盟カップ(DFB杯)決勝を勝利で飾り、5年ぶりに念願のタイトルを獲得した。ボス氏も現役時代、フェイエノールト(オランダ)で1992年、1994年、1995年にカップ戦優勝を果たし、1993年にはエール・ディビジも制するなど、トロフィーを掲げるための術を熟知している人物。それだけに、ドルトムントファンの期待はいっそう高まっていることだろう。

4)準優勝の悔しさ

ドルトムントとボス氏の共通点は、他にもある。同クラブはタイトルを獲得できなかった2012/13シーズンから2015/16シーズンまでの4年間、ブンデスリーガ、DFB杯、CLなど計7大会を準優勝で終えた(ブンデスリーガ3回、DFB杯3回、CL1回)。ボス氏自身も選手としてフェイエノールトに在籍していた1994年にリーグ戦2位、またアヤックス(オランダ)を率いていた今季は欧州リーグ(EL)決勝で敗れるなど、あと一歩のところで涙を飲んだ経験を持っている。

5)遅めの開花

指導者としてのキャリアをスタートしたAGOVVアペルドールン(オランダ)で、2002年にオランダ・アマチュアクラブ優勝を勝ち取ったものの、その後指揮を執ったデ・フラーフスハップ(オランダ)、ヘラクレス・アルメロ(オランダ)、フィテッセ(オランダ)、マッカビ・テルアビブではタイトルに恵まれなかった。しかし今季、頂点に輝くことはできなかったがアヤックスをEL決勝に導き、公式戦56試合で1試合平均2.13の勝ち点を獲得するなど、監督として15年ぶりに日の目を見ることができた。

6)テクニカルディレクター

デ・フラーフスハッパで監督を務めた後、ボス氏は現役時代に成功を収めたフェイエノールトに帰還し、2006年から2009年までテクニカルディレクターに就任。勤務開始初年に、それまでドルトムントを指揮していたマルク・ファンマルワイク氏をフェイエノールトに呼びよせた。ドルトムントとボス氏は、やはり奇妙な縁で結ばれているのかもしれない。

7)クロップとペップをミックス?

ボス氏が標榜するサッカーは、ユルゲン・クロップ監督がドルトムントに植え付けた高い位置からのプレッシング、素早い攻守の切り替えといった攻撃的なスタイルに似ている。また同時に、バイエルン・ミュンヘンを昨季まで率いていたジョゼップ・グアルディオラ監督のように、ポゼッションについて厳格なルールを定める人物でもある。ボス氏は今季アヤックスの選手たちに「バルセロナ(スペイン)は『3秒以上ボールを持ってはならない』というルールがあったが、私の下では2秒以上ボールを持ってはいけない」と伝えていたという。

8)タレントの発掘

若手の起用に消極的というよりは、むしろ積極的。アヤックスではダビソン・サンチェス、ベルトラン・トラオレ、カスパー・ドルベリ、マタイス・デリフト、ハキム・ジイェクといった10代から20代前半の選手を主軸に据え、彼らの成長を促した。今季ドルトムントの主力となったウスマン・デンベレ、クリスチャン・プリシッチに加え、アレクサンダー・イサク、フェリックス・パスラック、エムレ・モルなども、さらに出場機会が増えていく可能性は十分にある。

9)クライフへのリスペクト

オランダの伝説、ヨハン・クライフ氏にこれ以上ないほどの敬意を抱いているボス氏はかつて、「すでに16歳の時から監督になることを考えていました。当時から、自分を指導する監督の練習もチェックしていましたし、もちろんクライフ氏に関する本も大量に読みました」と話していた。またボス氏がテルアビブで指揮を執っていた際、クライフ氏の息子ジョルディが同クラブのテクニカルディレクターを務めていた縁で、念願の“師匠”に直接会うこともできたという。その時のことをボス氏は「亡くなる少し前に、彼はイスラエルにやって来ました。そこで1週間をともに過ごすことができたのですが、本当にファンタスティックな時間でした。あの1週間で得たことは、10年分の学びに匹敵します」と回顧している。

10)家族

1度目の結婚で2人の息子と1人の娘を授かったボス氏。息子は2人とも、SCカンブールとAGOVVアペルドールンに所属するプロサッカー選手となった。なおボス氏は6年前にヨリンさんと2度目の結婚をしている。