Summary

  • ドルトムントはトゥヘル監督の就任以降、ホームで無敗
  • ブンデスリーガのホーム連続無敗記録は「36」
  • 過去2年で勝ち点1を持ち帰れたのはわずか7チーム

「このジグナル・イドゥナ・パークを要塞にしたい」。ドルトムントのトーマス・トゥヘル監督がそう語ったのは2015年夏の監督就任時だった。「ここにやってくる対戦相手に胃が痛い思いをさせたい」。それ以降、ホームで2年と1カ月にわたって無敗の日々が続いている。

ドルトムントの対戦相手は、試合前の期待感よりも緊張や不安に襲われながらジグナル・イドゥナ・パークにやって来る。そして、トゥヘル監督が指揮する黄色と黒のハチに数カ所を刺され、落胆してスタジアムを後にする。

ジグナル・イドゥナ・パークで白星を手にすることなく帰路についた最新の被害者はケルンだ。第31節の対戦は0ー0の引き分け。しかし、ブンデスリーガの過去36試合のうち、勝ち点1を手土産にできたのがわずか7チームしかないことを考えれば、引き分けという結果は十分な成果だったと言えるかもしれない。

このスタジアムでホームのサポーターが最後に肩を落としたのは、2014/15シーズンの第27節、ロベルト・レバンドフスキにヘディングシュートを決められた時だった。元ドルトムントのストライカーはホームに強い古巣の秘密を知っていたのかもしれない。しかし、その時の監督はユルゲン・クロップだった。

トゥヘル監督はブンデスリーガのホームゲームでいまだに敗戦を味わったことがない。しかも、ドルトムントはジグナル・イドゥナ・パークで84得点、22失点と対戦相手を圧倒している。この数字を知って気分が悪くなるサポーターも多いだろう。しかし当然のことながら、ドルトムントのサポーターはその中には入らない。平均来場者数は欧州最多の8万1000人。彼らはドルトムントが毎試合、対戦相手を完膚なきまでに叩きのめす姿を見たいという飽くなき欲望を持ってスタジアムにやって来る。

応援の声がスタジアムに響きわたる。有名な「黄色い壁」からの声だけではない。スタジアムの四方から聞こえてくるのだ。トゥヘル監督は、「12番目の選手」だけでなく、「13番目の選手」の後押しを受けてホーム無敗記録を更新し続けている。

トゥヘル監督は昨季、シーズン前半のホームゲーム8試合で7勝というクラブ新記録を樹立。クロップやオットマー・ヒッツフェルト、マティアス・ザマーの成績を上回った。記録を打ち立てた2015年12月のアイントラハト・フランクフルト戦を前にトゥヘル監督は、「記録を作るためにサッカーをしているわけじゃない。しかし、新記録が達成できれば、それは誇らしいことだ」と語っている。