Summary

  • ドルトムントで次々と台頭するヤングタレント
  • 昨季はプリシッチやデンベレが大ブレイク
  • クラブの次代を担うUー21の若手タレントを紹介

ドルトムントは若い才能が次々と台頭するクラブとして有名だ。昨季は2年にわたるホーム無敗記録を打ち立て、ブンデスリーガでは3位の座を確保。さらにドイツサッカー連盟カップ(DFB杯)を制したが、そのチームの平均年齢は25歳である。

ドルトムントの中心選手として活躍するウスマン・デンベレ、クリスティアン・プリシッチ、ユリアン・ワイグルは、まだUー21の大会に出場できる年齢でありながら、3人合わせて6000分近い出場時間を誇った。近年ではヌリ・シャヒン、マリオ・ゲッツェ、マッツ・フメルスなどが若くして主力に定着。ドルトムントの“生産ライン”は才能ある若い選手にとって砂漠のオアシスのような存在である。

トーマス・トゥヘルの後任としてドルトムントにやって来たペーター・ボス監督も若手の起用には積極的だ。彼もまた、Uー21の大会に出場資格がある若い選手たちを起用しながら、アヤックスを欧州リーグ(EL)決勝まで導いている。一つのクラブに才能ある若手プレーヤーがこれほど集まったことがかつてあっただろうか。将来の活躍が期待される11人の選手を紹介する。

ドミニク・ライマン

生年月日:1997年6月18日(20歳)
国籍:ドイツ
ポジション:GK

ドルトムントのゴールマウスは長らく2人のローマン(ビュルキとバイデンフェラー)が守っているが、いつの日かその体制が崩れる日がやって来るだろう。先月20歳になったばかりのライマンは、短いキャリアの中でその日の到来を待っていると言わんばかりのパフォーマンスを見せてきた。昨季は肩の故障でシーズンの大半を棒に振りながら、Uー19のカテゴリーで9試合に出場。許した失点はわずかに5点だった。

フェリックス・パスラック

生年月日:1998年5月29日(19歳)
国籍:ドイツ
ポジション:サイドバック/サイドMF

ドルトムントがルカシュ・ピシュチェクの後釜探しを真剣に行う必要はない。なぜならチームにはすでにパスラックがいるからだ。パスラックは2年前、国内の優秀な若手選手を対象としたフリッツ・ヴァルター・メダルのUー17カテゴリー部門で金メダルを受賞。2016年3月にトップデビューを果たして以降、最終ラインと中盤の両サイドで素晴らしいプレーを見せている。昨夏のバイエルンとのスーパーカップでは試合こそ敗れたものの、フランク・リベリを完璧に封じ込めて評価を高めた。デイビッド・ベッカムを手本とし、昨季は右サイドから89%のパスを成功させたパスラックの将来に疑問を抱く者はいない。

ダンアクセル・ザガドゥ

生年月日:1999年6月3日(18歳)
国籍:フランス
ポジション:センターバック

192センチの長身でがっちりとした体格のザガドゥは、フランスの各ユースカテゴリーを駆け足で上がってきた。Uー17代表に初めて選出されたのは16歳の誕生日の4カ月前。現在はUー18代表のキャプテンを務めている。センターバックとしては希少な左利きで、相手からファウルなしでボールを奪う能力に優れる。今夏、パリ・サンジェルマンから獲得が決まった際、ミヒャエル・ツォルクSDは「彼の能力を全面的に信頼している」と語ったが、ドルトムントサポーターも数カ月後には同じことを言っているだろう。

ミケル・メリーノ

生年月日:1996年6月22日(21歳)
国籍:スペイン
ポジション:守備的MF/センターバック

ドイツサッカー界がメリーノの存在に気づいたのは2015年7月のこと。スペイン代表として出場したUー19欧州選手権でドイツ相手に先制点をマークし、チームを3ー0の快勝に導いた時だった。2014/15シーズンには昇格プレーオフ4試合で3ゴールを挙げてオサスナのリーガ昇格に貢献。攻撃的なポジションではないにもかかわらず、キャリアの中で繰り返し重要なゴールを決めている。ドルトムント加入1年目の昨季はリーグ戦8試合の出場にとどまったが、出場した試合で敗れたのはわずか1度だけ。今季は出場機会が増えるだろう。

ユリアン・ワイグル

生年月日:1995年9月8日(21歳)
国籍:ドイツ
ポジション:守備的MF

ワイグルを「守備的な選手」と言うのは正しくない。その役割はアメリカンフットボールで言えば“クォーターバック”だ。ドイツ代表MFトニ・クロースは、ワイグルについて「ワールドクラスの選手になる」と断言しているが、スタッツもその言葉を裏付けている。ブンデスリーガの1試合当たりのボールタッチ数は元バイエルンのシャビ・アロンソ以上。ケルン戦でのボールタッチ数は214回にも上った。昨季のパス成功率は驚異の89%。つまり、中盤の深い位置からゲームの指揮が執れる希少な選手なのだ。昨季終盤に足首を骨折して離脱中だが、クラブは1日も早い完全復帰を指折り数えて待っている。

マハムート・ダフート

生年月日:1996年1月1日(21歳)
国籍:ドイツ
ポジション:セントラルMF

ダフートがメーヘングラートバッハ(ボルシアMG)でブンデスリーガデビューを飾ったのは奇しくも2015年4月のドルトムント戦。その試合でチームは3ー1の勝利を収めている。以降、ダフートはピッチの上でファンを魅了。ボルシアMGのマックス・エバートSDによると、「昔ながらのストリートサッカー出身の選手で、サッカーをすることだけを願っている。バカ騒ぎとは無縁」だという。昨季の1試合平均走行距離はブンデスリーガ5位の12.3km。正確な長短のパスを繰り出し、攻守にわたって貴重な存在となってきた。今夏のUー21欧州選手権ではドイツ代表として優勝を経験。新天地ドルトムントでも活躍することだろう。

ウスマン・デンベレ

生年月日:1997年5月15日(20歳)
国籍:フランス
ポジション:ウインガー/攻撃的MF

ブンデスリーガの新人賞を獲得したデンベレには、すでに「将来の世界最優秀選手」という称賛の声が相次いでいる。驚異的なプレーを見ればその理由はすぐに分かる。ボールを持っていてもランニングしている時と同様のスピードを維持し、なおかつ完全な両利きでもある。昨季は公式戦で10ゴール20アシストを記録。リーグ得点王に輝いたピエールエメリック・オバメヤンの全31ゴールのうち、実に40%はデンベレのアシストによって生まれた。リーグ最多のドリブル回数を記録し、チームメートに贈り物のようなチャンスを供給し続ける。獲得時にトーマス・トゥヘル前監督は、「デンベレは何でもできる選手」と語っていたが、その言葉は間違っていなかった。

クリスティアン・プリシッチ

生年月日:1998年9月18日(18歳)
国籍:アメリカ
ポジション:攻撃的MF/ウインガー

ブラッド・フリーデル、ケーシー・ケラー、ティム・ハワード……。アメフトやベースボール、バスケットボールが盛んな国において、優秀なGKが数多く輩出されてきたのは驚くべきことではない。しかし、プリシッチは足で巧みにボールを扱い、数多くの新記録を打ち立ててきた。アメリカ代表の最年少得点者であり、ブンデスリーガでゴールを決めた最も若い外国籍選手でもある。リーグ最年少で1試合2得点を挙げた選手であり、昨季は公式戦で自己最多の5ゴール9アシストを記録した。マーコ・ロイスが故障がちな今、プリシッチが脚光を浴びる機会はさらに多くなるだろう。

エムレ・モル

生年月日:1997年7月24日(19歳)
国籍:トルコ
ポジション:ウインガー/攻撃的MF

165センチと小柄で、左利きであることから「トルコのリオネル・メッシ」と呼ばれているが、メッシに例えられる理由は背格好が似ているからというだけではない。デンマークのノアシェランで監督をしていたカスパー・ヒュルマンド(元マインツ監督)はモルをこう絶賛する。「モルは快足だ。パスを出すだろうと思っていると、ドリブルして方向転換する。そうなれば誰も追いつくことができない。不可能だ」。ブンデスリーガデビューを飾った昨季は12試合の出場にとどまったが、119分ごとにゴールに絡んだ。今季はさらなる出場を望んでいることだろう。

ヤコブブルーン・ラルセン

生年月日:1998年9月19日(18歳)
国籍:デンマーク
ポジション:ウインガー

デンマーク出身のラルセンがドルトムントのUー19で残した記録は49試合で31ゴール26アシスト。ユースレベルの試合とはいえ、実に77分に一度の割合でゴールに絡んだことになる。彼がワイドポジションを主戦場とする選手であることを考えるとこの数字は驚異的だ。トップチームでのデビュー戦となった昨季のドイツサッカー連盟カップ(DFB杯)ウニオン・ベルリン戦ではいきなりアシストをマーク。昨年10月に行われたシャルケとのルールダービーではベンチ入りも果たした。

アレクサンダー・イザック

生年月日:1999年9月21日(17歳)
国籍:スウェーデン
ポジション:ストライカー

スウェーデン出身でポジションはストライカー、182センチを超える長身。イザックが同じスウェーデン人のズラタン・イブラヒモビッチと比較されるのは避けようのないことである。イブラヒモビッチよりも18歳年下だということを考えればイザックには十分な時間があるが、彼はそれほど時間を必要としていないのかもしれない。スウェーデンのソルナで最年少ゴールを記録し、スロバキア戦で代表最年少ゴールを決めたのはまだ17歳3カ月23日。今年1月にドルトムントに加入する際には、レアル・マドリードからのオファーを断っていたという。ドルトムントとの契約は2022年まで。将来が楽しみな選手の一人であることは間違いない。