Summary

  • まだ19歳ながらドルトムントの主力としてプレー
  • 第13節のボルシアMG戦では今季3ゴール目をマーク
  • 課題だった不用意なプレーにも改善の兆し

味方であれば頼もしく、敵であれば実に厄介。ドルトムントのウスマン・デンベレはまさにそんな存在だ。12月3日に行われた第13節のメンヘングラートバッハ(ボルシアMG)戦でもゴールを決めたデンベレは、「いいパフォーマンスができてチームも勝つことができた。フランクフルトに負けた後だったから、もっと力があるというところを見せたかった」と喜んだ。

記者に囲まれるとシャイな素顔をのぞかせる19歳。だが、ピッチに立てば全くの別人だ。ボルシアMG戦では8万1360人の大観衆を前に自信に満ちたプレーを披露。64分には得意のドリブルで相手DF2人をかわして低い弾道のシュートを放ち、ダメ押しのチーム3点目をもたらした。

ピエールエメリック・オバメヤン、マーコ・ロイスとともに、ピッチに魔法をかけたデンベレ。この夏、ヨーロッパの多くのクラブが彼の獲得に乗り出したのもうなずける。デンベレはそんな激しい争奪戦の末にドルトムントに加入。ヘンリク・ミキタリ?ヤンが退団し、ロイスが戦線離脱中、アンドレ・シュアレも万全ではない状況下で先発に抜擢されると、ウィットに富んだプレーで瞬く間にサポーターの心をつかんだ。

不要なドリブルからのボールロストやおざなりな守備が批判され、時にはベンチを温めることもあった。だが、デンベレはそういった批判を素直に受け入れ、自らのレベルアップに励むタイプの選手だ。「いいプレーができない試合もあった。監督からそう言われて、話し合ったこともある。もっとうまくできるということを見せたかった」

トーマス・トゥヘル監督と真正面から向き合ったことが功を奏し、第12節のアイントラハト・フランクフルトでは途中出場でハツラツとプレー。続くボルシアMG戦では指揮官に「ドルトムントでの彼のベストゲームの一つ」とまで言わしめるハイパフォーマンスを披露した。

トゥヘル監督は「味方がボールを持っている時の動きが慎重で、守備時の連係も注意深かった」と課題を克服していることを強調。デンベレはドルトムントの組織的な守備、攻撃の選手に課される守備がどのようなものかを理解し始めている。以前のようながむしゃらなドリブルは自重し、より目的意識を持ってプレーするようになった。

その変化が顕著に見られたのが71分のゴールシーンだった。デンベレは反転しながら3人をかわしてロイスにつなぎ、それをロイスがかかとでさばいてオバメヤンのゴールにつなげた。「お互いに見なくてもばっちり呼吸が合っていた」。進化を続ける若武者は、少しだけ得意気にそう話した。