Summary

  • 1年でのブンデスリーガ復帰を果たしたシュトゥットガルト
  • 36歳の青年監督ウォルフの下で2部リーグを制覇
  • 新シーズンは再度ブンデスリーガで足場を固める重要な1年に

クラブ史上2度目、41年ぶりの降格から1年。シュトゥットガルトが圧倒的な強さで2部リーグを制し、1年でのブンデスリーガ返り咲きを果たした。2007年のブンデスリーガ制覇を含め、過去3度のリーグ優勝を誇る名門にとって、新シーズンは捲土重来を期して迎える再出発の1年となる。

2部降格でイチからスタート

2部降格によって出直しを強いられたシュトゥットガルトは昨夏、指揮官にヨス・ルフカイを招聘。新たにスポーツ担当取締役となったヤン・シンデルマイザー氏の下でチーム再建に踏み出した。ホームゲームには2部では過去に例を見ないほどの観客が詰めかけ、チームのブンデスリーガ復帰を後押し。しかし、開幕から間もない第4節終了後、シンデルマイザー氏との意見の食い違いからルフカイ監督がクラブを去るという緊急事態に陥る。

ただ、結果的にはこれが吉と出た。新指揮官に就任したのは、ドルトムントのユースチームで国内優勝を成し遂げたこともあるハネス・ウォルフ監督(当時35歳)。プロチームでの指揮経験がない気鋭の若手監督は、経験豊富な選手と才能ある若手をうまく融合させることで良質なチームを作り上げることに成功する。

今季のシュトゥットガルトは終了間際のゴールで多くの試合をモノにしてきたが、これも指揮官の手腕によるところが大きい。選手のモチベーションコントロールに長けけ、レギュラーではない2番手の選手たちにも信頼を寄せて能力を引き出した。ダニエル・ギンチェクは、「監督の下でチームは成長できた。専門的な知識を選手に植えつけ、練習では高いレベルを要求しながら背中を押し続けてくれた」と話す。

相乗効果でチーム再建が進む

「将来を見据えて才能ある選手を起用していく」。チーム作りにおいて、シンデルマイザー氏とウォルフ監督が同じコンセプトの持ち主だったことも大きい。ホッフェンハイムをブンデスリーガに昇格させた実績があるシンデルマイザー氏、ドルトムントのユースチームから何人ものプロ選手を世に送り出してきたウォルフ監督。両者の知識と経験が相乗効果となってシュトゥットガルトのチーム再建は進んだ。

2人にはブンデスリーガでもう一度足場を固めるというハードルが課されるが、それを実現させるための環境は整いつつある。プロ部門をクラブから分離し、株式会社化したことで資金調達が可能になった。昇格したばかりのチームに補強は不可欠であり、条件さえ合えばブンデスリーガで実績のある選手たちの獲得に動く方針だ。

目標は高く

シンデルマイザー氏はブンデスリーガでの再出発を前に、「高い目標を掲げることに躊躇はしない。とにかく前進するだけだ」と宣言。今季2部リーグの得点王に輝いたシモン・テローデとの契約延長にこぎつけたのもそうした姿勢の表れである。「シモンはゴール量産というクオリティーだけでなく、一人の人間としても、チームにとって非常に大事な選手」。ケルンに在籍していた2010/11シーズンはブンデスリーガで結果を残せずに終わったが、2度目のチャンスを生かせるかどうかがチームの命運を左右しそうだ。

2部に降格してもチームの方針を変えず、昇格後に大きく躍進したチームとしてケルンの例が挙げられる。今季5位に食い込み、欧州リーグ出場権を獲得した彼らを手本に、シュトゥットガルトは昇格1年目での飛躍を期す。