Summary

  • バイエルンのDFバートシュトゥーバーがシュトゥットガルトへ移籍
  • ユース時代を過ごしたクラブで完全復活を目指す
  • 新天地では若手を引っ張る存在として期待される

ブンデスリーガへの昇格を果たしたシュトゥットガルトが、昨季後半にバイエルン・ミュンヘンからシャルケに期限付き移籍していたDFホルガー・バートシュトゥーバー(28)を獲得した。バイエルンは今夏で満了となった同選手との契約を延長しない意向を明らかにしていた。

魅力的なオファーに勝る古巣への思い

この夏でフリーとなったバートシュトゥーバーについては、スペインのセビージャやポルトガルのスポルティング、さらにかつての恩師ペップ・グアルディオラが率いるマンチェスター・シティ(イングランド)などが獲得に興味を示していた。だが、バートシュトゥーバーが新天地に選んだのはブンデスリーガ復帰を決めたばかりのシュトゥットガルトだった。

本人によれば、「国外から魅力的なオファーがあったし、欧州チャンピオンズリーグ(CL)に出場するクラブからも声がかかっていた」という。にもかかわらずそれらのオファーを蹴ったのは、シュトゥットガルトが13歳から2年間過ごした思い入れのあるクラブだったからだ。

のちにバイエルンへ移籍してブンデスリーガデビューを飾ったバートシュトゥーバーは、ドイツの守備を担う190センチの大型DFとして大きな期待を寄せられていた。しかし、彼の未来に立ちはだかったのがたび重なるケガだった。

終わらないケガとの戦い

彼が今までに負ったケガを改めて振り返ってみると、例を見ないほど厳しいものであったことが分かる。

2010年11月:恥骨の炎症
2012年10月:左大腿部の筋繊維断裂
2012年12月:右ひざ前十字じん帯断裂
2013年5月:右ひざ前十字じん帯再断裂
2014年9月:左大腿部腱断裂
2015年4月:左大腿部筋断裂
2016年2月:左足首骨折
2016年8月:筋肉損傷

これまでバートシュトゥーバーはブンデスリーガ129試合、CL39試合、ドイツサッカー連盟カップ18試合、スーパーカップ2試合、欧州リーグ1試合に出場しているが、プロデビュー後に負傷欠場を強いられた試合は220試合にものぼる。負傷等で欠場を強いられた試合が出場試合数を上回っているのだ。

それでも彼は下を向くことなく、ケガをするたびに必ずピッチへ戻ってきた。本人は過去のインタビューでこう語ったことがある。「僕のケガは決して絶望的なものではなかった。本当に絶望的なのは、夜のニュースでやっているような事件だよ」。そうした強い精神力があったからこそ、リーグ優勝やCL制覇など、サッカー選手なら誰もがうらやむタイトルを手に入れることができた。

新天地で求められる新たな役割

優れた戦術理解力、広い視野と正確なパス、空中戦の強さ。DFとしての完成度が高いバートシュトゥーバーは、ケガさえなければ今でもブンデスリーガのベストDFの一人に数えられる。そして、その資質に目をつけたのがシュトゥットガルトだ。

若手主体のシュトゥットガルト守備陣にあって、バートシュトゥーバーに求められるのはリーダーとしての役割。25歳のマルチン・カミンスキを除けば、チームのセンターバック陣は21歳以下の選手ばかり。経験豊富な新戦力の助けを借りてこれから成長していく選手たちだ。

そのことは本人もよく理解している。「シュトゥットガルトでは責任ある立場を担うことになる。与えられた任務が自分に100%合っていたからこそ、ここへの移籍を決めたんだ」。キャリアのルーツとも言えるシュトゥットガルトに戻った28歳が目指すのは完全復活。「17歳でこのユニフォームに袖を通した時、とても誇らしかった。今は改めてその思いを感じている」。かつての強さを取り戻すべく、バートシュトゥーバーの新たな挑戦が始まる。