Summary

  • ドルトムントOB、セバスティアン・ケールのインタビュー
  • 現役時代はキャプテンとしてクラブの2冠達成に貢献
  • 5月27日に行われるDFB杯決勝を展望

ドルトムントは2012年、クラブ史上初となるブンデスリーガ制覇とドイツサッカー連盟カップ(DFB杯)優勝の国内2冠を達成した。そして、当時のキャプテンとしてトロフィーを受け取ったのが、2年前に現役を退いたセバスティアン・ケールだ。今もクラブと強い絆で結ばれているケールが、2012年の決勝の思い出、そして5年ぶりの大会制覇を目指す現チームについて語った。

ベルリンでの決勝はすっかりホームゲームになっている

——2012年5月12日のDFB杯決勝、バイエルン・ミュンヘンを5ー2で下してトロフィーを手にした時の気分はどうでしたか?

ケール ものすごく素晴らしい気分だった。言いようのない感情が沸いてきたよ。決勝で見事なパフォーマンスを見せられただけでなく、あの時はシーズンを通して圧倒的に強かったからね。クラブ史上初の2冠達成は、いつまでも色褪せない歴史として残ると思うよ。実はポカールを受け取った時のこと、マイスターシャーレとポカールを手にスタンドへ向かった時のことをはっきりと覚えていないんだ。でも、大きな喜びに満ちていたし、本当に言葉にできないような気分だったよ。

——決勝の舞台となるベルリンの特別な魅力については選手たちは口々に語ります。

ケール 誰もが決勝の舞台を目指してやっているし、リーグ戦が終わって他のチームが休みに入っている中でタイトルを争えるのは、このDFB杯と欧州チャンピオンズリーグ(CL)、欧州リーグ(EL)だけだからね。決戦を前に喜びも緊張感も徐々に高まるんだ。特にドルトムントは決勝となると街全体が燃えて、選手たちもその雰囲気に乗せられる。この数年はサポーターが万単位でベルリンへ押し寄せて、黄色と黒のクラブカラーで埋め尽くしてくれている。首都ベルリンでの決勝はすっかりホームゲームになっているよ。

——ドルトムントは4年連続で決勝進出を果たしましたが、過去3年はいずれも敗れています。チームにとってトラウマのようになっているのでしょうか?

ケール そうは思いたくないけどね。決勝というのは必ずしも勝者にふさわしいほうが勝つとは限らないんだ。もちろん3年連続で敗れているのは残念なことだし、誰もがやるせない気持ちを抱えているはずだ。でも、今年はドルトムントが勝つ可能性が高いと思うんだ。選手たちはポカールを持って帰るために集中している。チームにはベルリンでの苦い経験を味わってない選手もいるし、ネガティブなことは考えていないはずさ。

——リーグ戦ではバイエルンの独走を許しました。その原因はどこにあったと思いますか?

ケール チームの調子に波があったことが挙げられる。CLでは好成績を残したけど、リーグ戦では不要な取りこぼしを繰り返してしまった。攻撃陣は強力で得点力も高いが、その分失点も多かった。シーズン40失点、6敗というのはちょっと多すぎる。これではリーグ王者にはなれない。でも、チームはこの経験から学んでくれるはずだ。それだけのポテンシャルは持っている。バイエルンを本気で脅かすにはシーズンを通して圧倒的なパフォーマンスが必要で、今季はいろいろな事情があってそれができなかった。

——守備の話が出ましたが、ブレーメンとの最終節は4ー3という撃ち合いでした。アイントラハト・フランクフルトとの決勝でも守備に関しては不安が残りますか?

ケール ブレーメン戦はクラブにとってハッピーエンドだったし、観客を存分に楽しませる試合だった。攻撃力は申し分なかったね。でも守備に課題があることも浮き彫りになった。攻守の切り替えの遅さが相手のチャンスにつながってしまっている。フランクフルトとの決勝はここが重要になってくると思う。

オーバの活躍がチーム全体の成功にもつながる

——ユリアン・ワイグルが負傷離脱しました。ヌリ・シャヒンで彼の穴は埋まりますか?

ケール ヌリは長くケガで休んでいたが、復帰後は間違いなく調子を上げてきている。彼が戻ってきてくれたのはうれしいよ。ベルリンで出番が与えられるのであれば、多くの経験を積んできた彼にかかる責任は大きくなるはずだ。でも、彼ならフランクフルトのカウンターを封じるべく、ゲーム運びに安定感を与え、チームを統率してくれると思う。ヌリの力には信頼を置いている。ただ、彼一人だけでできる仕事ではないけどね。

——DFB杯の序盤戦はロマン・バイデンフェラーがゴールマウスを守っていましたが、その後はロマン・ビュルキが起用されています。あなたとバイデンフェラーは親しいですが、決勝戦をベンチから見守ることに彼は落胆しているのでしょうか?

ケール もちろん、DFB杯では彼が最後までゴールマウスに立てればとは思う。ビュルキが負傷した時、彼はチームにとってどれほど重要な選手かというのを見せてきた。トーマス・トゥヘル監督がDFB杯でもGKの交代を決めたのは、ロマン(バイデンフェラー)にとっては残念だったと思う。けれど、監督にもそれなりの理由があるはずだし、ロマンはチーム内での自分の役割を見つけてそれを受け入れている。彼のことだから、チームが勝てるようピッチ外からできる限りのことをやってくれるはずだよ。

——ピエールエメリック・オバメヤンはフランクフルト戦でも勝敗を決めることができる選手の一人です。

ケール リーグ戦の3位、そしてDFB杯の決勝進出は、オーバの活躍によるところが大きい。今季も決着をつけるゴールを数多く決めている。彼の存在感は言うまでもないし、なかなかゴールが決まらない時期にチームが全面的にサポートしたことが彼の大きな力になった。そして得点王という形で実ったんだ。これには「おめでとう!」と言いたい。決勝でも彼は決定的なゴールを決めて、また新たな歴史の1ページを開いてくれると思う。彼が素晴らしい形でシーズンを締めくくることが、チーム全体の成功にもつながるはずだ。

——ブレーメン戦で2ゴールを決めたマーコ・ロイスもキーマンに挙げられると思います。ドルトムント育ちの彼のような選手がチームにいることは大きいのでは?

ケール チームのアイデンティティの象徴として非常に重要な選手だ。選手とクラブ、そしてファンをつなぐ存在だからね。最近は大きな大会のたびに負傷に泣く不運がつきまとってきたけど、だからこそ彼には大きなタイトルを手にしてほしい。ここ最近の試合を見ていれば、彼のモチベーションの高さ、そして負けん気の強さが分かるし、今はとても調子もいい。決勝では、オーバ、(ウスマン)デンベレとともに決定的な仕事をしてくれるはずだ。