Summary

  • ドルトムントがボス新監督の下で好スタート
  • 指揮官の攻撃的なスタイルがすぐさまチームに浸透
  • 目指すはスペクタクルと結果の両立

ドルトムントを率いるペーター・ボス監督が新天地で最高のスタートを切った。ブンデスリーガでは無敗で首位をキープ。しかし、同監督はチームにはまだ改善の余地があると考えている。

手探りで始まった新たな挑戦

ボス監督率いるドルトムントはブンデスリーガ第7節を終えて6勝1分けと唯一無敗をキープ。チーム総得点は「21」、総失点はわずか「2」と攻守両面で完璧なパフォーマンスを見せている。5連覇中の王者バイエルン・ミュンヘンとの勝ち点差は早くも「5」に広がり、ドルトムントファンは2012年以来となるマイスターシャーレに期待を膨らませている。

もっとも、就任当初のボス監督には不安もあったようだ。「ブンデスリーガで私のやり方がハマるのかを見極めるのは簡単ではなかった。しばらくの間、ドイツにはいなかったからね。ペップ・グアルディオラもバイエルンに来た時は同じような問題を抱えていたはずだ。彼はバルセロナで自身のスタイルを確立していたが、“ブンデスリーガでそれが通用するのか?”と考えただろう。全く分からないことなんだよ」

ボス監督は昨季、アヤックスを率いてチームを欧州リーグ準優勝に導き、その手腕を買われてドルトムントの指揮官に就任した。「欧州で最も有力なリーグの一つで戦うドルトムントから声がかかった時は誇りと興奮を感じたよ。だが、もちろんサッカーにおける挑戦が最も重要な側面だった。ここに来て約3カ月になるが、まだ3週間しか立っていないように感じる。すべてのことがものすごく早いスピードで起きている。すべてを吸収し、ここに根を下ろそうと思っているよ」

ボス監督が目指す理想のスタイル

就任当初、ボス監督はドルトムントのファン、そして有名な“黄色い壁”に感心していたが、そのファンに多くの歓喜をもたらしつつ、勝利という結果も残せるスタイルを追求している。それは自身も大ファンであり、師と仰ぐ同郷のヨハン・クライフが残した偉大な遺産であり、それを継承していくことを光栄に感じているという。

「ファンのために攻撃的なフットボールをしたいという意味で、私たちの哲学は似ている。勝利を目指すのは当然だが、サポーターを楽しませ、元気づけたいとも思っている。過去のどんなチームや選手がファンの記憶に残っているか? ファンは私たちを楽しませてくれたチームや選手を覚えているものだ。私は魅力的で、なおかつ成功をつかむチーム作りができると確信している」

開幕から公式戦11試合、ボス監督は絶えず戦術の修正と選手たちの見極めを続けてきた。現役時代にオランダ、フランス、イスラエル、日本、ドイツで経験を積んできた彼は、その多様なキャリアの中で熱心にメモをとることを覚えたという。それが現在の監督業にも生かされている。

ウォルフスブルク戦に勝った後、良かった点や悪かった点、自分の考えなどをメモに書き留めた。次にウォルフスブルクと対戦する時に、このメモを取り出して試合を振り返るためにね。(メモをとっておけば)その試合の詳細を思い返すことができるんだ。そこには選手の評価も書く。1〜10で評価するが、まだ10点を与えた選手はいないね」

ドルトムントに100%集中

ドルトムントの選手たちはすぐに新指揮官の要求に応えた。選手が見せるハードワークには、“完璧さ”を追求する姿勢が見て取れる。ボス監督は「ピッチ上のどんな要素もどこかにつながっている」と説明する。「例えば、ピエールエメリック・オバメヤンが前線でのプレスを怠れば、相手は簡単にゲームを作ることができる。もし中盤がコンパクトでなければ、守備陣はトラブルに直面する。逆に相手がボールを支配している時にプレッシャーをかければ、相手はよりゲーム作りに苦しむはずだ」

これまでのところ、ボス監督のスタイルはチームに成功をもたらしている。現在の好パフォーマンスとバイエルンの不調を考慮すると、就任1年目で栄光をつかむことができるかもしれない。だが、当の本人は気を引き締める。

「バイエルンの不調は私には関係のないことだ。コントロールできるのは自分のチームだけだよ。今はドルトムントにすべての集中を向けている。私たちはまだ目標とはほど遠いところにあるのだからね」